連続テレビ小説「らんまん」で、峰屋の当主を務めあげた万太郎の祖母・タキが第65回の放送で、天国に旅立ちました。
槙野タキを演じた松坂慶子さんに、第13週でのタキを演じての感想と、視聴者へのメッセージを聞きました。

松坂 第13週、65回の大座敷のシーンではタキが分家に謝りました。お殿様が土佐を出ていくというような時代の移り変わりをだんだん感じているのだけれども、このときは、「本家・分家と言っていて悪かった、これからは上下の別なく互いに手を取って商いに励んでほしい」というタキさんの変貌っぷり。柔軟な気持ちや時代のことも理解して、歳を重ねていったタキさんもすてきですね。

同じ回で、万太郎にお礼を言うところがあります。これは一貫したタキさんの気持ちだったと思います。天寿を全うする時期に来てしまったけれど、かけがえのない孫の万太郎であり、そういう存在を得ることができたタキさんは幸せだと思います。

そして、最後のシーンは桜の開花時期に合わせて高知で撮影しました。立派な桜がとてもきれいでしたね。万太郎と一緒に見ていた桜は病気で直すことはできないけれど、挿し木をして残した桜がいつか咲き誇るように、というセリフにもあったように、タキさんの晩年が、孫の万太郎の成長ぶりを楽しみにしているという、当時の女性の一生を演じられたなと思いました。

タキさんはついにこの世を去りましたが、万太郎と寿恵子、綾と竹雄のそれぞれの夫婦が新たな時代を作っていきます。その様子を楽しみに今後も「らんまん」を見ていただければうれしいです。