6月26日(月)より放送される第13週から、前半のクライマックスを迎える「らんまん」。主人公・槙野万太郎の祖母・タキを演じる松坂慶子さんからメッセージが到着! これまでの出演シーンを振り返ってもらった。

――「らんまん」への出演が決まった際の心境はいかがでしたか。

ドラマの舞台の高知は日照時間も長くておおらかな土地柄だと思ったので、厳しい中にも、高知の人の、はちきんらしい明るさ、勝負強くて快活で気のいい性格で負けん気が強い、ちゃきちゃきのおかみ、という感じでスタートできればと思いました。

――台本を読んだときの物語とタキさんの印象を教えてください。

タキさんの時代はコロリが襲った直後の時代でしたが、この3年間のコロナで大変だったので、現代との合せ鏡的なところもありますね。タキさんは家を支えていかないといけないという男勝りな勝ち気な厳しいところと、情のあるところがあるけれど両方が嘘ではなくて両立していて拮抗して、そういう風になるといいと思いました。どんなに厳しいことを言っても愛情に紐づいていることで、何としても家を守るという、そういう役柄だと伺いました。

――「らんまん」放送が始まってから、周囲の方の反響はいかがでしたか。

万太郎は病弱で本当に立派に成長するのか心配だし、重い気持ちも抱えながらやっている1週目、2週目だったのですが、できあがった作品を見るとオープニングの自然や、神木さんの明るさや快活さ、全体の造りがとても朝ドラらしくて。見てくださる方が、タキさんを怖がらないで、受け入れてくださって本当に良かったと思いました。

――松坂さんご自身がお好きなタキさんのシーンはどちらでしょうか? 理由も教えてください。

愛情深い女性的なところが第1回の初登場シーンで仏壇に手を合わせるところだけで、あとは叱っている厳しいシーンばかりだったので、最初のシーンは大事に演じました。
私自身は、どちらかというと、昨年放送のあった、土曜ドラマ「一橋桐子の犯罪日記」で演じた桐子さんのほうが近いと思うんです(笑)。今回は自分とは全く違う役柄を演じなければいけなくて、厳しく怒るシーンの撮影の日なんか、帰ってもまっすぐ歩けないくらいへとへとになっていましたね。家族や子供に先立たれて、そしてまた自分も大事な人を残して逝く、という経験は自分にはないんだけれども、自然と切なさが分かって無理なく演じられたのが不思議でした。やはり脚本の力や演出家のアドバイスのおかげですね。

――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか。主演・神木隆之介さんの印象や、他の共演者とのエピソードがありましたら教えてください。

神木さんは、みんながいい気持ちで仕事場にいて、いい集中の仕方が出来るような雰囲気づくりを常にしてくださっていました。
三山ひろしさんは、さすが演歌の実力のある方だなぁと、とても通る声で寿恵子さんの着物を選ぶのにも、堂々としていらして印象的でしたね。それと、みんなで前室でけん玉を教えていただいて、認定証も頂いたんですよ。
市蔵役の小松さんはとても大きなお声で「よろしゅう」と言っていらして、最初のころは競うように大きな声でやっていましたね。タキさんは第12週以降になると歳も取って病気もあって弱ってくるんだけど、市蔵さんが私の分まで活気づけてくださるのが、楽しいというかおかしかったですね。
綾を演じる佐久間由衣さんも、とても土佐ことばも一生懸命やっていらして、本当に役を生きているという感じがしました。