どうも〜、朝ドラ見る子です。
(全国の見るるファンの皆さん、すみません。また出て来ちゃいました……)
さ~て、今週の「らんまん」は、ついにドラマが動きましたね!
まず、日本で初めての植物学雑誌が“爆誕”!
そして、舞踏練習会発足式が開催! そしてそして……!
と、はやる心をおさえまして、今回は、朝ドラ家4人で、特にグッときたシーンをセレクトして投票を行ってみました! で、その集計結果をランキング形式で発表しながら、ドラマの内容を振り返っていこうと思います。
え? 急になんだって? いやまあ、いろいろ考えるんですよ、私たちも。
この朝ドラレビュー、最近、割と多くの人が読んでくれているらしいと編集部に聞きまして、朝ドラ家、ちょっと緊張しているとか、いないとか……(コホン)。
ということで、1人につき持ち票は10ポイント。それぞれ、好きなシーンに好きなだけポイントを投票するというかたちでの投票です。
さあ、みなさんのお気に入りシーンはランクインしているでしょうか!?
●第5位 徳永教授、実はいい人だった! ユウガオに向けた優しい顔がたまらない!
(見るる2、見る子1=合計3ポイント獲得)

緊張してるな〜んて言ってる割に、最初から妙にマイペースな結果ですが(笑)、今週、見るるイチオシだったのが、そう、田中哲司さん演じる徳永助教授が、窓辺のユウガオを愛でるシーン!
学生でもないのに植物学教室に出入りする万太郎のことが気に入らず、常に冷たい態度で接し、あまつさえ追い出してやろうと田邊教授に進言すらしていた徳永助教授。ところが、今週、田邊教授から発された、あるひとことで態度が変わります。
そのひとこととは……
「(万太郎たちが作っている学会誌が、もし水準に達していなかったら)一冊残らず燃やさせる。むろん、金も出さない」
これを聞いた徳永助教授、さっと顔色を変え、こんな反論をしてしまいます。
「燃やす……? ですが、槙野は授業料まで払って石版印刷の技術を習得したうえに、原稿集めや校正にも多大な時間をかけて──」
しかし、田邊教授は全く意に介さず、
「槙野を甘やかすなと言ったのは君だろう。矛盾の塊だな、君は」とばっさり。
見る子「ちょっと、これはないよね〜」
見るる「なんか田邊教授がどんどん怖い人になっていくんですけど! 最初がプラスのイメージでスタートだっただけに怖いし、不穏だ……。どうなっちゃうんだろう〜!?」
見る子「うん。“本を燃やす者は、やがて人間も焼くようになる”っていうからな(←19世紀のドイツの詩人ハイネの有名な言葉です)。徳永さん、それで顔色を変えたんだと、私は思うね」
見るる「逆に徳永助教授は、最初はあんなに万太郎に対して怒ってたのに、今週ですごくイメージが変わった! だいたい、矛盾があるほうが人間味があるってものだよね!」
見る子「でも、まあ、私は最初から信じてたけどね。だって(演じてるのが)田中哲司さんだからな! 万太郎に対して、憤懣やるかたない!プンプン!っていう表情も好きだったけど、あの困惑した顔も絶品よ……ふふふ……」
見るる「うーん? お姉ちゃんのツボって謎なんだけど……?」
そんな困惑の表情のまま、庭でヒルガオ&ユウガオの観察をしていた万太郎と遭遇した徳永助教授。突然、実は自分はユウガオが好きだ、と語り出します。
徳永助教授「ユウガオは『源氏物語』に出てくるからな。私は……日本文学が好きなのだ」
さらに、万太郎が話を合わせ、自分も『万葉集』が好きだというのを受けて、その中の一首をつぶやきます。
徳永助教授「朝顔は朝露負ひて咲くといへど……」
万太郎「……夕影にこそ咲きまさりけれ」
なんだ、この意味深なやり取り!
この歌の意味は、「朝顔は朝露を浴びて咲くというけれど、夕方の光の中でこそ、もっと美しく咲くものですよ」(詠み人知らず)。
まあ、ある意味、彼が万太郎を認めたことを暗に表すシーンだったわけですよね。
ちなみに、『源氏物語』に出てくるユウガオというのは、光源氏に愛されるも、悪霊(?)に取りつかれ、若くして亡くなってしまう薄命の美女の名前です。
見る子「そっかー、この人、もともと植物学専攻じゃなかったんだよね、たしか。それを、自分の好きな日本文学とつなげることで、関心を保とうとしていたのかもね〜」
見るる「意地悪な人じゃなくて、ただ不器用な人だったんだね。で、私がグッときたのはさ、その後、万太郎が学会誌を仕上げて届けた日のシーンのほうね! 窓から見えるユウガオを見て、すごく愛おしそうに微笑むところ。あの表情かわいすぎない? さりげないんだけど、じーんとして涙ぐんじゃった」
見る子「う、うん、まあわかるけど。中年男つかまえて、かわいいって表現するあんたのセンスの方が謎だよ……?」
いずれにしても、田中哲司さんの名演技に姉妹そろってやられてしまったというわけでした(?)。いや〜さすがです!!
●第4位 大窪助教授と大畑の大将、仲良く酒を酌み交わす……あの打ち上げに参加したい!
(見る子2、父さん3=合計5ポイント獲得)
そんなこんなで万太郎の苦労が実を結び、ついに植物学学会の学会誌が完成!!
万ちゃん、おめでとー!!
もちろん、喜んだのは、万太郎ばかりではありません。
雑誌に論文を寄稿した植物学教室の面々、大畑印刷所の職人さんも交えて、打ち上げの大宴会が開催されました!
ということで、楽しそうな宴会に刺激された父さんからの熱い支持で、4位にランクインしたのがこちらのシーンです。
父さん「楽しそうだな〜。俺も参加したいな〜。特に、大窪さんと印刷所の大将がやったりとったりしてるのがいいよ。最高だね。なんか、こう、若い連中が何かをやり遂げたのを見届けて、それを祝って飲む酒って、いいんもんだよな。わかるよ〜、わかる! うまいよな、こういう日の酒は〜」
見る子「え、父さん、酔ってる?(笑) でも、いいシーンだったよね。これまで別々の場所に登場していたキャラクターが、いっしょくたになって宴会してるって、なんかなごむよね。こういうのって映像じゃないと描けないというか、一瞬だけ映るシーンに、こっちが勝手に、こんな会話してるんじゃないかな〜みたいに想像を膨らませてみられるのがいいよね」
父さん「そうそう。やっぱり、飲んでたのは『峰の月』かねえ。いいねえ」
見る子「(ハッとして)峰の月! そうだ、ところで、この宴会の経費って、どうなってんの? そういえば牛鍋だし。ええええ〜万太郎〜〜!?」
このドラマ、日本牛鍋協会がスポンサーに入ってるの?っていうくらい(←そんなはずはない)、よく牛鍋を食べてるシーンが出てくるけど、当時は、今にもまして牛肉は高級品のはず。
この打ち上げの経費……植物学会のあれになるのかな? 大窪さんいるもんね?
あれ、でも、丈の助とか、関係ない人もいるしな。
大畑の大将が「今日はありがとう」って言ってるしな。
万太郎、また散財してしまったんでしょうか。あああ〜峰屋が心配だ〜〜〜!!
●第3位 お佳代ちゃん、爆速で失恋するも、寿恵子ちゃんにうっとり。元アイドルのコメディエンヌぶりに注目!
(見るる1、見る子2、父さん2、母さん1=合計6ポイント獲得)

そんな大宴会の最中、いつもと様子が違う人がひとり。そう、大畑印刷所の一人娘、お佳代ちゃんです。
印刷所では「汚い!」と、万太郎を見るたびののしっていたのに、洋装でビシッと決めた万太郎の立ち居振る舞いにすっかり心を奪われてしまったようで。
佳代(万太郎に向かって)「蝶ネクタイ、かわいいじゃないのよ!」
いや、かわいいのはあなたです(笑)。
しかも、万太郎が、大将とおかみさんに「あとで大切な話があるから残ってほしい」と声をかけたのを、どう勘違いしたのか、自分に結婚の申し入れがあると思い込んじゃうあたり。
いや、かわいいよ!(笑)
そして、帰って来た両親に向かって、「万ちゃん、婿にとってくれていいから」と、したり顔。で、その数秒後に、「相手はあんたじゃない」と聞かされ、彼女の恋は終了したのでした。ところが、意外と行動派の佳代ちゃん。万太郎の意中の人を見にいかんと、わざわざ白梅堂に出向いていきます。
すると、舞踊練習会の発足式前日の練習とあって、いつもにまして気合が入ったドレスできめた寿恵子さんが登場。睨みつける満々だった佳代ちゃんですが……あれ? うっとりしちゃってます。
見る子「いや、かわいい! おもろい! いいなあ、佳代ちゃん」
父さん「なんかインパクトあるねえ。和髪が似合ってるし、町娘感がいいよ」
見る子「あの子、というか、あの女優さん、元アイドルなんだよ」
父さん「へ〜そうなのか」
見る子「まあ、言っても父さんは知らないと思うけね、アンジェルムっていうグループでね、元スマイレージなんだけど、あ、ハロプロのね」
父さん「うん、全く意味がわからない。つまり?」
見る子「そうだよね(苦笑)。まあ、ともかくアイドル出身で、そのあとミュージカルに出たり、歌手としても活動したり、最近では一人音楽朗読劇もやってたんだって」
父さん「ほほう。それで達者なわけだ」
見る子「昨日配信されたインタビューによると、江戸っ子っていう要素に加えて、片桐はいりさんのお芝居を参考にしたんだって」
父さん「ああ、なるほど。あのコメディエンヌぶりはそういうことか〜。いいじゃないか!」
見る子「あ、あと、群馬県出身だって」
父さん「おお、それはいい役者になるな! 応援しよう」←注)何の根拠もありませんが、父は群馬県出身です。身びいき!(笑)
……というわけで、佳代ちゃんを演じる女優さんの名前は、田村芽実さん。「めいみ」と読むそうです。
朝ドラ見る家全員の票を集めて、堂々の3位ランクインでした〜。でも、佳代ちゃんが気になっている人、全国的にけっこういるはず!
このあとも登場するのかな? 注目してまいりましょう。
ちなみに、インタビューはこちらからどうぞ!
↓
https://steranet.jp/articles/-/1960
●第2位 竹雄が「万太郎」を見つめるまなざしが……頼もしい? でも、せつない!
(見るる4、見る子3、母さん4=合計11ポイント獲得)

そして、お待ちかねの、万竹(万太郎×竹雄)のシーンは、今週は惜しくも2位!
女性陣からの支持は高かったんですけどね〜(笑)。
さて、どんなシーンがあったのか、振り返ってみましょう。
竹雄がボウイとして働く西洋レストラン・薫風亭。そこで、高藤様が寿恵子ちゃんを妾(後妻?)に迎えるつもりだと聞いてしまったから大変です。仕事を終えると、あわてて大畑印刷所で修行中の万太郎のもとへに駆けつけ、事態を報告。一刻も早く、こちらも寿恵子ちゃんに申し入れ(プロポーズ)をするようにと迫ります。
ところが、万太郎は首を縦に振らない。
万太郎「わしはまだ何者でもない。わしは植物学者として寿恵子さんを迎えに行きたい」
竹雄「何をもって植物学者といえるがです? ただ名乗るだけのことでしょう!?」
万太郎「名乗る。わしが、わしを認めたら」
おおおお、万太郎、なんと頑固な! でも、なんていい顔をするんだ!? いつの間にそんなにかっこよくなってしまって! ……と、動じたのは私だけではなかったようで。
そのあと、万太郎が自分で描いた石版を自ら印刷してみせると、その見事な出来栄えに竹雄は言葉を失います。
「これを万太郎が……」
見るる「そうなの〜〜〜〜!! だって、呼び方がまずもうさ、『若』じゃなくて、『万太郎』じゃん。さらっと言ってたけどすごいことだよこれ。つまり、今や二人は主従関係ではなく、本当の意味で相棒なんだよね。その万太郎のために、仕事終わりで、あんなに必死で走ってきたんだよ!! なのに、万太郎、わかってんのか、そこー!?」
見る子「あんた、この話になると、本当に情緒不安定になるよね。大丈夫?」
見るる「だって竹雄、誰よりも万太郎の植物学への熱い思いやこだわりを知ってるから、それを出されたら、もう黙るしかないじゃん。竹雄は、万太郎のことを思って言ってるのに……。ああ、もどかしい!!」
見る子「お、おう……」
見るる「そんな思いのまま、万太郎の作業を見守る竹雄の心中を思うとさあああああ。なんだろうね、相棒への信頼と諦めと、複雑な表情すぎる!! それから、そのあと万太郎が印刷所のみんなと会話をしている間、その様子を黙って見つめている目もね! 口ほどにものを言いすぎっていうかさ……ああ、万太郎は、ここでもこんなに愛されている。確実に自分の居場所を増やしてる。もう、自分がそばについていて守っていないとダメだった、か弱い若はいないんだな……と、また思ったわけよね?」
見る子「そ、そうだね……」
見るる「あとね、ずっと並んで走ってきた万太郎が、いつの間にかこんなスキルを身につけていたっていう驚きも、けっこうくるものがあったと思う。一方の自分は? っていう自問がね……。だって、ボウイじゃん? いやボウイさんだって十分、大切な仕事だし職業だけど、それって、竹雄にとっては、万太郎の植物学者のように、何者か、っていえるものじゃないんだと思うんだよ。酷だよ、万太郎、酷なんだよーー」
見る子「ああ、確かにそうだね、竹雄って最終的にどうするんだろう。料理上手だし、薫風亭のシェフを目指すとか? そっちのほうが給金もよさそうだもんね?」
見るる「はあ!? 何言ってんの!!? 佐川で綾ちゃんが待ってるんでしょうが!!!」
見る子「あ、そうか」
見るる「だからこそ! だからこそ、いつ、今度はマジで、『わし、佐川に帰りますき』って言い出すかと思って。ああいう目をされると、こっちは気が気じゃないわけよ!」
なるほど。でも、さらに見るるが興奮していたのは、こちらのシーンでした。
万太郎と竹雄の家に集まった、藤丸、波多野、ついでに丈の助。どうやら明日締切の原稿をなんとかしようという修羅場のようです。眠気と戦いながら、ときどきおしゃべりしながら過ごすほかの3人に対して、万太郎は集中し、明日の本番にそなえて下絵を描き続けています。そこへひょっこり、「お茶いかがですか」と現れた竹雄。
竹雄「描けちゅうがですか?」(万太郎に近づいて絵をのぞき込んで)
万太郎「んー、まああまあじゃな」
竹雄「……まあまあですね」
万太郎「本番はもっとうまく書くき」
竹雄「はい。あなたが、あなたを認められる絵を」
こら〜! 見つめ合うな〜! っていうか近いわ!!(笑)
古女房感すらあるこのやりとりに、ほかの3人がいちいち反応するのが、めちゃくちゃ面白い。
ちなみに、見るるは……
見るる「はあ、せつない。いろいろ考えちゃって。でも今は萌え死(以下略)」
……だそうです。はい、次行こうか、次!
●番外編その1 深夜に語りあう「何者か」の卵たち
ランキング1位に行く前に、ランキング外のイチオシシーンを紹介しましょう。
まずは、父さん推薦。さきほどの、修羅場での藤丸、波多野、丈の助らの深夜のおしゃべりシーンです。ここで、植物学に文字通り全身全霊を傾ける万太郎に触発された彼らは、自分は「何者」になれるのか、怖くなったと打ち明けたり、決意を固めたり。そういえば、丈の助は、シェイクスピアの全37作品を翻訳する!と宣言していました。
父さん「おや、丈の助は、坪内逍遥ってことなのか? 俺はてっきり、二葉亭四迷のほうかと思ってたよ、なんとなく。まあ、それはともかく、深夜の若者トーク、いいじゃないか。みんながみんな、万太郎みたいに、さっさと目標を見つけて脇目も振らずに邁進できるわけじゃない。何かはしたい。そのエネルギーも自分にはあることは感じる。というか、なんなら持て余してすらいる。そういう時期の若者たちの、本音っていう感じだよな。見ていると、ああ、俺たちにも、こんな時期があったな〜なんて思ったりして。まあ、結果、何者かになったかというのは、彼らほど立派なものじゃないけどな……」
父は、どうもこの手の話になると、一人ノスタルジーの世界に入ってしまうようです。そう、あったんだよね、父さんにも。長髪でフォークギターを抱えていた時期が……。
●番外編 その2 Live for LOVE! クララ先生の涙
寿恵子ちゃんにダンスを教えてくれているのが、アメリカからやって来たクララ先生。
これまでは、それほど詳しく描かれていませんでしたが、この日、ひょんなことから、万太郎が描いた薔薇の絵を見て、「These are my roses(これは私のバラ)」とつぶやき、そのまま「my garden(私の庭)」「my love(愛する人)」と言って涙を滲ませます。
そして、何か思い詰めた様子の寿恵子に向かって、「(高藤さんではなく)愛する人がいるんじゃないの?」と核心をついた質問を繰り出します。しかし英語がわからない寿恵子ちゃん。仕方なく、クララ先生はシンプルな言葉で、彼女に最後のレッスンをするのでした。
「Live for love──心のままに」
見るる「短いシーンだったけど、グッと深みが出たよね。クララ先生の視線の先に、亡くなった旦那さんがいることがわかったし、寿恵子ちゃんとクララ先生に教わったのはダンスだけじゃなかったんだ、というのが伝わってきたもん。あと、クララ先生、歌うますぎ。さらっと歌ってあれって、めちゃくちゃかっこいい。寿恵子さんにとって、クララ先生と過ごした時間は、本当に大切な時間に違いないよ。寿恵子さん、英語はわからないっていう割に、なんだか通じているのがいいよね。人は言葉じゃなく、通じ合えるってことだよね!」
ということで、こちらは見るるの推薦でした。
では、いよいよ第1位の発表です!
●第1位 寿恵子、高藤さんを華麗に振って、万太郎の元へ!! お姫様が来たーー!
(見るる2、見る子2、父さん4、母さん5=合計13ポイント獲得)
はい、そりゃあそうでしょうのクライマックス。家族全員納得の、白いドレスの寿恵子ちゃんが1位をゲット!!いや〜綺麗だったですね〜。もう浜辺美波さんの魅力が溢れていました。
さあ、そこへ至るまでを振り返って行くと。舞踊練習会発足式で、人々の注目を浴びながら見事なダンスを披露した寿恵子ちゃんと高藤様(あ、すみません。伊礼彼方さんへの愛から、役とはいえ様付けをやめられない私をお許しください)。
その姿も美しかったのですが、やっぱり気持ちよかったのは、そのあと、高藤様が、「これからはこのダンスを手段として、日本も一等国として外国へ出て行くのだ!」と高らかに宣言したあと。
高藤様の手を振り払い、かたい表情をしている寿恵子ちゃんに、
「身分は気にしないで、あなたは生まれ変わる」というと、強いまなざしで、こう抗議します。
「どうして生まれ変わらなくちゃいけないんですか。私のままで、なぜいけないんですか」
これは反撃の始まり。そして、自分の出自を恥じたことはない、と、堂々と言いきります。
母さん「ああ、お寿恵ちゃん、根にもってたのね。高藤さんが、自分の元に来る前に、身分が高い人の養女になってほしいって言われたこと」
見る子「だって、あれは失礼だよ〜。あなたを守るため、とか言ってたけど、それって、全然、今の寿恵子ちゃんのことを認めていないってことだもんねえ」
母さん「そうね。男女対等、と言いつつ、実は女をアクセサリー的にしか考えてない。お寿恵ちゃんとだって、二人でしっかり話をしているというより、いつも一方的だったものね」
見る子「そうそう。だから、奥さんにまで、あんなふうに言われちゃってたわけよ
そう、高藤様の奥さん、弥江さんも、唖然とした顔の夫に向かってビシッとこう言います。
弥江「男と女が対等とおっしゃるけど、あなたは、すぐそばにいる女さえ目に入っていない」
で、寿恵子ちゃんは、「私、好きな人がいるんです。だからもう行きます」と宣言。制止の声をかける高藤様を無視し、一路、万太郎の元へ!
母さん「あら、お寿恵ちゃん、あんなドレスのまま走って。目立つし、みんなびっくりするわよねえ」
見る子「いいのいいの、ドラマなんだから! 昔から、ヒロインっていうのは白いドレスで走るものなのよ」
母さん「そうなの?」
見る子「そうです。白いドレス、または白いワンピースね!」
やってきたのは、万太郎が暮らすあの長屋。まるでウェディングドレスのような純白なドレスに目を丸くする万太郎に、寿恵子ちゃん、突然のハグ!!
(このシーンでキュン死した方、たくさんいたようで。皆さん、生きてますか?)
そう、実はこの日の朝、万太郎から預かった釣書を、大畑の大将が白梅堂へ届けていたんですね。寿恵子ちゃんが、待ちに待っていた、万太郎からのプロポーズです。
それでも寿恵子ちゃん、発足式でダンスのお披露目、という役目はしっかり果たしたということですな。……えらいぞ!(←そこか)
そして、よかったね! どんな気持ちでプロポーズを受け取ったのか……そのシーンも、見たかったけど、どれくらいうれしかったのかは、その抱きつきぶりでわかるってもんです。
で、そんな寿恵子ちゃんの姿を見た長屋の子どもがつぶやいたのが、「ユウガオのお姫様」。
見る子「おお、ここでサブタイトルの回収か! うまい!」
母さん「それで白いドレスなのね〜。でも夕顔って、『源氏物語』だと薄命なのよね……」
見る子「そこで余計な水をささない! ……え? そういう伏線? まあ、今はとりあえずこの幸せに浸っておこうよ〜。いや〜、けっこう早々と両思いだったのに、結ばれるまで長かったねえ」
母さん「でも、高藤さん、すごい顔してたわよ? みんなの前でとんでもない恥をかかされたわけだし、このままですむのかしら。なにか妨害をしてきたりするんじゃない?」
見る子「どうかなあ。これ以上、高藤様、というより伊礼彼方さんがジタバタ、カッコ悪いところを晒すのは見たくないなあ。いや、伊礼彼方さんのお姿は見たいけどね! ああ、これは困った……」
母さん「それに、お寿恵ちゃん、本当にわかってるのかしら? 万太郎と結婚するってことは、あの長屋で暮らすってことなのよ? 愛だけじゃあ、どうにもならないことが、世の中にはあるのよ〜?」
見る子「母さんって、時々、意地悪だよね」
母さん「ドラマを楽しんでいるだけよ。それに、竹雄だっているじゃない。どうするのかしら、どこで新婚生活を送るのかしら……」
見る子「はいはい。来週に期待しましょ」
幸せいっぱいの寿恵子ちゃんに対して、それを受け止める万太郎の表情が、笑顔でないことが気になった今週のラストシーン。あれは、いったい何を意味しているんでしょうか。覚悟、なのかな? それとも、すでにこれからの生活を見据えている?
いずれにしても、目標だった学会誌は創刊され、寿恵子ちゃんもゲット。物語は次なるステージに進んでいくことになりそうです。
それってつまり、あちこちに散らばった、不穏の種が、芽吹くころ……?
例えば、田邊教授と万太郎の関係とか? 万太郎の貯金がどれくらい減ったのか問題とか? 竹雄との同居は解消するのかとか? そして、結婚するとなれば、峰屋にも報告がいくだろうし?
というわけで、
次週「マルバマンネングサ」。
え? 何、それ? なんだかマニアックな名前なんですけど、いったいどんな草なの?そんな気になる草の姿も含めて、来週の展開をお楽しみに!
では、また来週、お会いしましょう。アデュー!
“朝ドラ”を見るのが日課の覆面ライター。朝ドラを日々のスパイスとして、朝ドラをきっかけにいろいろなことを考えたり、人と話したりするのが好き。地方生まれ、東京暮らし、ときどき帰省。その影響で、最近は両親(60&70代のシニア夫婦)も朝ドラを見るのが習慣に。さらに、渋いおじさん好きの姉(朝ドラ見る姉)と若いイケメン好きの妹(朝ドラ見るる)も。家族ぐるみの(?)、自由気ままなレビューをお届けします♪