皆さん、こんにちは。三たび登場! 朝ドラ見るるの姉「見る子」です。
まだ旅から帰らない妹に代わって、今週の「らんまん」、気ままに振り返ってまいりましょう〜。

今回は、いつもの朝ドラ見る家の「会議」に入る前に、あれ・・、やっていいですか。いや、やらいでか! だって、今週は名言のオンパレードじゃ、あ~りませんか!

万太郎が大畑印刷所に「押しかけ修業」に通うようになってから、早くも3週間がたったそうで。それってつまり、寿恵子ちゃんが参加する舞踏練習会の発足式の日も近づいているってことですよね?

そういう意味ではストーリー展開はゆっくりというか、大きな動きはないんです。だからこそでしょうか、じっくりと描かれる人々の思い。こういう週、大切ですよね。 というわけで……!?


>>見る子が選ぶ「勝手に名言ランキング」!!!

まずは、第3位。
万太郎が長屋を出て、大畑印刷所に住み込みで働くと言い出した翌日の朝食の席にて。その仕返しに、佐川に帰ると嘘をついて、万太郎に住み込みでの仕事を思いとどまらせた竹雄。この一連のシーンは、ほかにもいろいろ言いたいことはあるんですが(後述)! まずは、個人的に心に沁みたこのセリフをピックアップしたいんです。

竹雄「若が前に進みたいのはわかります。けど、張り詰めちょったら、速く走ることもできません。健やかに、楽しく笑っているほうが、よっぽど速く、遠くまで行ける」
竹雄「だから、ちゃんと寝て、食べて、ピカピカ笑っていてください。それが若の全速力ですき」

──そう、ちゃんと寝て、食べて、笑っていることが、どんなに大切か!
ついつい、仕事でこんをつめてしまいがちな私には、響きました〜。

少しでも速く仕事を片付けたくて、友人との約束はかたっぱしから断り、食事も最低限で済ませ、とにかく睡眠時間は削れるだけ削って……。それでいい仕事ができるなら、まだいいんです。でも、案外、そうやって無理くり仕上げた仕事に限って、評価がついてくるとは限らないもんです。悲しいことに。
自分の全速力、私も、見極めたいなと思いました。いや、まじで。(←マジで?)

続いて、第2位。
なかなか「迎え」にやってこない万太郎のことを思って悶々とし続ける寿恵子ちゃんに、母であるまつさんがかけた、この言葉がランクイン!

まつ「いいかい、おっかさんが奥の手を教えてあげる。男の人のために、あんたがいるんじゃないの。あんたはあんた自身のために、ここにいるの。だから、いつだって、自分の機嫌は自分で取ること」

まつさんは、名前のとおり(というわけじゃなかろうが)、妾となって旦那様を「待つ」ことしかできなかった自分の人生を、「後悔してない」「妾冥利につきる」なんて言いつつも、かなり思うところがある様子。そんな思いを、娘にはさせたくない。
だから、妾にはなってほしくないのに、万太郎でさえ、娘を待たせるなんて──。

これはなかなか複雑な心境でしょうけれど、ここで問題にしてるのは、妾であろうとなかろうと、「相手を待つ」ことを暮らしの真ん中に置いてしまうと、それによって自分がつまらない人間になってしまうことにあると分析してるわけですよね。……深い!

確かに、他人の言動に左右されるのではなく、「自分の機嫌は自分で取る」、それをちゃんとできるのが、自立した女性、もとい大人なのかも。
でも、寿恵子ちゃんは結局、まつさんが提案した「単なる気晴らし」ではなく、「待つのやめて自ら会いに行く」という行動によって自分の機嫌を取ろうとしたわけですが。そういうのも、わし、嫌いじゃないですき! それもまた、ひとつの「自分の機嫌の取り方」ですよね。

堂々の第1位は――! 
やっぱり主人公! いいこというわ〜と心を打たれた万太郎のセリフです。

万太郎「岩下さん、さっきのお話なんですが……わしは、消えんと思います」(初めて石版に絵を描きながら、石版印刷の技術によって、かつて木版に携わった彫り師や摺師などの職人たちが仕事を失って消えていったと語る、画工岩下さんの話を受けて)
万太郎「かつて腕を競って技を誇った方々が、その場所から散っていったとしても、それは、消えたわけじゃない。新たな場所に根付いて、そして芽吹いていくがじゃと思います。磨き抜かれたもんは決してなくならん。新しい場所にあった形で変化し、もっと強くなって生き抜いていく。それが生きちゅうもんらの、ことわりですき」

これを聞いた元火消しの大畑さんも、思わず「その通りだ」と言ってましたが、ほんとそう。というか、そうであってほしい。
だいたい、新しい技術によって失われる仕事の話って、今、誰にとっても人ごとじゃないって、思いませんか? 機械やロボットにとって代わられる労働力、AIの発展によって消えるといわれている職業も、ひとつやふたつじゃないですし。そう、ChatGPTが、この朝ドラレビューを書く日もそう遠くはないわけですよ?

……いや、こんな勝手気ままなレビューは、そうそう書くことはできまいという自負(?)はあるけど(笑)。
でもまあ、実際、そうやって無くなっていくものがあることは事実で、それを繰り返して、人間社会は発展してきたわけです。ただ、それは「否定」じゃない。万太郎はそう言ってるんだと思いました。

確かに、その「仕事」や「技術」そのものは失われていく。でも、そこにかけた人の思い、心は、決して失われたり消えたりするものじゃないっていう。それを積み重ねて、「芯」の部分をしっかりと継いでいくことが、本当なんじゃないかって。

万太郎が、ただ新しいものにミーハー的に飛びついているわけじゃないんだってことが、はっきり示されていて、安心できるシーンでした!

お決まりの!>番外編。
今週の迷言!ワースト1位もついでに発表しちゃいます。それはもちろんこちら!

高藤様「寿恵子さん。横浜に、小さな屋敷があります。その屋敷に、住みませんか。あなたを、人生のパートナーとして迎えたい」
高藤様「弥江は妻です。だが、そいだけじゃ」

そんなわけあるかーーーーい!! 妻は妻じゃ〜〜!! そいだけとは何ごとだ。そして妻がいる限り、人はそれを「妾」と呼ぶんじゃい。何が「人生のパートナー」じゃ!!

まあ、百歩ゆずって、もしかすると高藤様がいうとおり、彼には彼の事情があるのかもしれない。心から本気で寿恵子さんに惚れてしまったのかもしれない。
間違った形で始まってしまう恋愛を、全否定するわけじゃないのよ? そう、オトナだからね、私。

でもね、やっぱりちょっと嫌なのは、屋敷の話から出してくるところよ。
妾として囲う気まんまんなんだもの。あなた、西洋で何を見てきたの? なあんにも、わかっちゃいないのね!と、クララ先生に叱られてほしいです。


▼朝ドラ見る家会議
議題その1>>万太郎はなかなかやり手?策士?人たらし?

さあ、気を取り直して、ここからはいつも通りの朝ドラ家によるレビューをやっていきましょう。
で、思い出してください。万太郎が目指していた植物学雑誌を、田邊教授が立ち上げた植物学会の学会誌として出せることになったのは……。
そうです、自分の教え子(=指導)を褒められて気をよくしているところに、すかさずこの話を投入。

「すばらしい! 学生が自らそんな申し出を。あなたの教室は実に向上心に富んでいる!」という援護射撃を得ることによって、教授のほうから、「いい機会だからそうしなさい」と言わせてしまったわけです。

さらに、その事態に一瞬、おかんむりになった大窪助教授に、「事務局長には大窪さんがふさわしい」「巻頭言はぜひ大窪さんに」と立て続けに言って彼の自尊心をくすぐり、最終的に雑誌の監督と資金調達について、引き受けさせてしまいました!

そして今週!どうしても先輩たちから原稿をもらいたい万太郎。藤丸さんと波多野さんを巻き込んで、小芝居を打ちも打ったり。「くさい芝居だ」なんて言われはするものの、結局、見事に先輩たちの心を動かしてしまいました。これって、つまり!?

見る子「万太郎ってさ~、実は政治家の才能あるんじゃない?  どう思う?」
父さん「なかなかの策士だよな(笑)。天然の人たらし系かと思ってたんだが、あれは策士の目だな!」
見る子「だよねえ。万太郎、恐ろしい子!」
父さん「それで、実際は、どんな人だったなのかな〜って気になってきてさ。この間、見るるが持ってた、万太郎のモデルの、牧野富太郎博士の本、ちらっと見ちゃったよ」
見る子「へえ、どうだった?」
父さん「いや、まだ写真しか見てないんだけどな、確かに、なあんか、かわいい顔した人なんだよな」
見る子「なあに〜、父さんまで、万太郎がかわいいとか言い出すわけ?(笑)」

父さん「だって笑顔の写真が多いんだよ。この時代の人で、あんなにあけっぴろげな笑顔の写真がたくさん残っている人、珍しいんじゃないかな。本当に植物が好きだったんだなと思うし。こういう人から、自分と一緒になにかやりませんかと誘われたら、そりゃあ、相手も思わず、ハイって言っちゃうんじゃないか、と思ったね」
見る子「いやいや〜、そういうところも、策士だったのかもよ〜?」
父さん「(ハッ)しまった、時を経て、写真だけで籠絡されてしまったのか、俺は!?」
見る子「博士がなかなかの人たらしであることは、間違いなさそうだね(笑)」


▼朝ドラ見る家会議
議題その2>>寿恵子さんの複雑な女心。

今週は、寿恵子ちゃんが万太郎を思って悶々としているシーンも印象的でした。

(東大の植物学教室を訪ねてきた寿恵子ちゃんを見て)
母さん「やっぱり来たわね、寿恵子ちゃん」
見る子「来たね〜。いやあ、あのときの寿恵子ちゃんの表情、すごかったね。迫真の演技というか、泣きそうに見えた。なんか伝わってきたなあ……。自分はこんなに苦しんでいるのに、万太郎が無駄にめっちゃ楽しそうだったのが悔しかった、ってことでしょう?」
母さん「そんなの仕方ないじゃない。寿恵子ちゃんが勝手に苦しんでるだけ。万ちゃんは万ちゃんなりに頑張ってるんだから」

見る子「そうだけど……あれ、母さん、珍しく厳しいね?」
母さん「そうじゃなくって、それが恋心ってものなのだなあって思うのよ。ほんと、身勝手なものでしょ。先週、万太郎は一人で黒い嫉妬の炎に苦しんでいたじゃない?」
見る子「そうだったね。なんか今は吹っ切れすぎていて、不思議なくらいだけど」
母さん「今週は、寿恵子ちゃんのほうが、自分の気持ちに向き合う番ってことよね。高藤様に揺さぶられているせいもあるけど、わざわざ、万太郎に自分の好きな本を読ませたいと思ってみたりして」
見る子「うん、正直、あのめちゃくちゃ長い『八犬伝』を人に読ませようとしていたのには、引いたというか、いや、なんだろう、自分の黒歴史を思い出させられたよね……(なぜか好きな人に自分が好きな本を無理やり貸してみたり、好きな映画を伝えて絶対観るように仕向けてみたり……青春時代あるあるなんじゃないかと思うんですよ、私)」

母さん「それにしても、やっぱり、押してダメなら引いてみろって、正解なのね〜。または北風と太陽みたいな? あんなふうに急に姿を消されたら、誰だって気になっちゃうわよねえ。そういう作戦だったのかしら? 万ちゃんったら、一体、どこでそんな恋の駆け引きを覚えてきたのかしら」
見る子「なるほど確かに。万太郎、やっぱり、恐ろしい子……!」
母さん「そうだ、そういえば、今週、なんだかもう一人若い女の子が登場してたわよね。印刷所の娘さんだっけ?」
見る子「夜食にうどんを食べてたシーンで、万太郎に『汚い!』『うるさい、汗臭い!』って言って引っ込んじゃった子だよね?」

母さん「あれは、当然あれよね。そう言いながらも、絶対、万ちゃんのこと、好きになっちゃうパターンよね?(ワクワクした顔で)」
見る子「そうかなあ……」
母さん「あら、そうに決まってるじゃない。これは寿恵子ちゃんにも恋敵出現ってことになるんじゃないの? これは大変よ〜。ふふふ、楽しみね!」

うーん、見るるの妄想癖、絶対、この人の血だよなあ〜と思うんですよね。
私が必要以上にものを考えすぎるところは、父さんの血って感じがするしなあ。
いやだわ、遺伝って、恐ろしい!


▼朝ドラ見る家会議
議題その3>>万竹が朝からイチャコラ……もう、好きにしてな件

そして、みなさん、覚えていますか。
そうです、朝からイチャコラがやまない万太郎と竹雄の“夫婦漫才”。
なんですか、あの「万太郎」「竹雄」のやり取りは!(笑)
こっちが恥ずかしくって見てられないってもんですわ〜。あ〜驚いた〜。と思っていたら、こちらはやっぱり、妹・見るるから感想が届きましたよ。

以下、メールをコピペにて!
++++++
見るる「おはよう、お姉ちゃん。朝っぱらから我々は何を見せつけられているのって感じじゃなかった……? 糖度が……糖度が高すぎる……。

いやね、薄々気づいてはいたよ? 互いに足りないところを補い合い、支え合っていたふたりの関係が、いつのまにかアンバランスになってきていたこと。重すぎる竹雄の感情が、“彼女”とか“正妻”を通り越して“子離れできてないママ”みたいになっちゃってたこと!!

でもまあ、考えてみればそうだよね。竹雄は、万太郎が植物の研究に脇目もふらず没頭できるよう、少しでも夢を追う時間を削らなくてもいいように、「掃除・洗濯・金稼ぎ」をみずからかって出て、ついてきたわけで。それなのに、万太郎に「働き始めた」って言われたら、「え? じゃあ、わしの存在意義は!?」ってメンタルブレイクするのは無理ないもん。

ただ、万太郎のずるいところはね! 竹雄が絶対悲しむのがわかってて「わし、この家を出ようかのう」とか言うところなんだよ!! 万太郎がこの家にいるから心配してるんじゃなくて、万太郎が大変そうだから心配してるんだってこと、わかるじゃん普通!!! 

それなのに、いざ竹雄の方から「佐川に帰ろうと思います」とか言われたら、あからさまに動揺するし。結局、大好き同士なんだよね、このふたり。

竹雄「若のええとこは、ニコニコしゆうところです。若が笑うたら、みんなが笑顔になる。誰のことも幸せにできる」

このセリフもさあ、万太郎の笑顔に一番幸せにされてるのって間違いなく竹雄だから、こういう言葉がすっと出てくるんだろうな……って思ったら、う〜〜〜ん万竹、やっぱり覇権カップリングだよ、これは。

竹雄の激重感情って、2〜3割くらいは、「万太郎が峰屋の当主だから大切にしないと」みたいなのも含まれてた気がするんだけど、これで竹雄が万太郎のこと「ただの槙野万太郎」だと思うようになったら、実家とか主従関係とか関係なく完璧に対等な関係になるわけで……対等な関係になった上で「万太郎♡」「竹雄♡」の呼び合いなんだとしたら……ずるいって〜〜〜こんなのさ〜〜〜〜!!!!」
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お、おう……。大丈夫かな、この子? 
糖度が高すぎて血管切れちゃいそうじゃない? 我が妹ながら、アツ苦しいな。てゆうか、息継ぎ、できてるのかね(笑)。と、思ったらさらに追加が。

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見るる「P.S.!!朝食シーンのオムレツ、気づいた?あれ、竹雄は自分の分のオムレツは用意してなかったんだよ? つまり、万太郎がおいしいもの食べて笑顔になるのを見たくて、万太郎のために作ったオムレツだったんだって思ったら……。萌えました。ありがとう」
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え、大丈夫? 誰に対する「ありがとう」!?(笑)
みなさん、このテンション、ついてこられてます???(自分のことは棚上げしときます!)
つまりこれが、いわゆる「推しが尊い」ってことなのかな。たぶん。


さて第11週、「ユウガオ」

ダンスレッスンの帰りに、万太郎を見かけてしまった寿恵子ちゃん。
「もう待つのやめる」と宣言はしましたが、やっぱり心は揺れているようです。
万太郎が路傍のノアザミにかけた言葉は、いったい、どんなふうに心に響いたんでしょうか? そして、高藤様にはどうお返事をするのでしょうか?
何はともあれ、伊礼彼方さんの華麗なダンスシーンだけは、どうかしっかり見せていただきたい……と願っておきます!

一方、まずは目次が完成した植物学雑誌。来週、初お目見えとなるのでしょうか? というか、突然、原稿の締切を早めるなんて、万太郎、鬼すぎる……(ブルブル)。

そして、今週は登場しなかった実家・峰屋の動向も気になります。そう、おばあちゃんが心配なんです!
まさか、かわいい孫が印刷所でインクにまみれて絶賛修業中とは知らないでしょうが、雑誌が完成したら、当然送るでしょうからね〜。どんな思いで眺めるのか。

あ、そういえば、今週もまた万太郎、けっこうお金、使っちゃってますね〜。見習い修業とか言いつつ、お給金はゼロどころか、逆にお金を払って教えてもらってるんですからね〜。

……あれ? 確かそうだったよね? え? 冷静に考えると、なんだそれ?
ああ!! いつの間にか、私たちまで感覚がまひさせられている!!
万太郎、重ね重ね、恐ろしい子……!!

ということで、今週はここまで。来週は、見るるが復帰する予定ですよ。
どうぞお楽しみに。それではまた!

“朝ドラ”を見るのが日課の覆面ライター。朝ドラを日々のスパイスとして、朝ドラをきっかけにいろいろなことを考えたり、人と話したりするのが好き。地方生まれ、東京暮らし、ときどき帰省。その影響で、最近は両親(60&70代のシニア夫婦)も朝ドラを見るのが習慣に。さらに、渋いおじさん好きの姉(朝ドラ見る姉)と若いイケメン好きの妹(朝ドラ見るる)も。家族ぐるみの(?)、自由気ままなレビューをお届けします♪