ドラマの聖地巡礼好きのH岡です。
今回取り上げるのは大河ドラマ「どうする家康」ゆかりの地、静岡。
城を築き、自らの遺体を埋葬させるなど、徳川家康がこよなく愛した場所です。
その静岡でいま、「静岡市プラモデル化計画」なる取り組みが着々と進行しているという・・・。

しかも、それは徳川家康とも深くかかわりがあるらしい
「どうする家康」の時代考証を担当する歴史学者の小和田哲男さん(静岡大学名誉教授)には、(静岡で製造されている)ガンプラ*のルーツはまさに徳川家康なのです」と教えられました。

「ガンプラ」と「徳川家康」? どのようなつながりが??
おーっ、なんだかわくわくする話ではないですか。
早速、「静岡市プラモデル化計画」について調査してみました!
*アニメ「機動戦士ガンダム」のプラモデル

JR静岡駅の目の前で見つけたのはこれ↑
「模型の世界首都 静岡」プラモデル型モニュメントです!

JR静岡駅のコンコースには、なつかしの「緑の公衆電話」が↑プラモデルさながらのモディファイ。コレ、実際に使用できるんです。

さらに、家康が建立した駿府城跡の近くには、コチラ↓

家康が身につけていたとされる甲冑「きんそく」のプラモデル型モニュメントを見つけました ゴールドがひときわ目を引きます。

市役所前のポスト↑ コレも実際に使用しているものです。
かわいい・・・このポストに手紙だしてみたいですよね♪

市内にある「静岡ホビースクエア」には、所狭しと、プラモデルや木工製品などが陳列されていました⇊

コロナ禍の巣ごもり需要で、プラモデルの売り上げも上昇中だそう。

懐かしのプラモデルたち
奥に見えるのは池沢さとし先生の『サーキットの狼』!!


静岡市は日本のプラモデル製造品出荷額の8割を超えるシェアを誇っています。
アオシマ、タミヤ、ハセガワ、ガンプラを製造するBANDAI SPIRITSなど、世界に名を知られるプラモデルメーカーがここ静岡に集中しているのです。

「家康が久能山東照宮や浅間神社を造営させる際に、全国から腕利きの木工職人たちが、駿府(現在の静岡)に集められました。彼らの中には、その後も駿府に住み続ける者もいて、この場所に優れた木工の技術が根付き、発展することに繋がったのです。そのことはプラモデルのメーカーがたくさん今の静岡にあることと、決して無縁ではありません」(先述の小和田哲男さん)

実際に、徳川家康が自身の遺体を埋葬させた久能山東照宮に行ってみると、そこにはなんと……

たくさんのプラモデルが奉納されているではないですか。恐るべし静岡。
これは、もっと詳しく知りたい!と静岡市役所の「プラモデル振興係」石川直哉さんにお話をお伺いしました。

――なぜ、静岡でプラモデル製造が盛んになったのでしょうか?
静岡で建具づくりに精通していた、現在の「青島文化教材社」の創業者、青島二郎さんが1932年に木製の模型飛行機をつくりはじめたところ、よく飛ぶと評判になりました。当時の国策もあり、全国の学校で取り扱われるようになります。

また、戦後、製材業に転身した田宮は、切れ端を使って木製模型をつくりはじめました。このように、次第に静岡に木製模型を製造するメーカーが増えていきます。その後、海外から、より精密なプラスチック製の模型が輸入されるようになると、木製模型は売れなくなってしまいました。そこで、各メーカーは一から勉強して、プラスチックへの素材転換を図ります。それが静岡のプラモデルのはじまりです。

――「静岡市プラモデル化計画」とは、どのようなものでしょう?
プラモデルは静岡市の地場産業の代表です。プラモデルを活用したまちづくりを進め、プラモデルの魅力を街の魅力にしていくことを目指した、官民一体のプロジェクトです。

――例えば、どのような取り組みを行っているのですか?
市民のみなさまや、静岡市に来られる方々に、プラモデルの街を実感してもらおうと、令和3年から街にプラモデルをモチーフとしたモニュメントの設置をはじめました。

毎年開催している「静岡ホビーショー」では、市内の小中学生3~4,000人を招待し、プラモデルやミニ四駆をつくったり、塗料で塗ったり、さまざまなものづくり体験の機会を設けています。小学校への出前授業も行っており、年に20校程度、市とプラモデルメーカーさんと一緒にまわって工作を体験してもらっています

――モニュメントはインパクトがありますね。
現在、7つのモニュメントが市内に設置されています。多種多様な企業・団体と市が協力して設置しています。これからも増やす予定ですのでお楽しみに。SNSで「映える」と好評で、特に駿府城のそばにある「甲冑のモニュメント」は人気がありますね。

――今後の計画を教えてください。
「認知症」予防のためにプラモデルを活用する企画などを考えています。さすが「プラモデルの街」と思われるように、さまざまな場面でプラモデルを活用していきたいと思っています。特に、中高生など次代を担う若年層にプラモデルを通して“モノづくり”の楽しさも伝えていきたいですね。

徳川家康にルーツを持つ静岡のプラモデルが、今や街を代表する産業となり、街の魅力の一部となって後世に伝えられていました。なんとも壮大で、わくわくするお話でした。

静岡市の魅力&見どころは、「プラモデル」だけにあらず。
浅間神社や駿府城跡地など、他にも徳川家康ゆかりの地を歩き、静岡と家康公の関係を調べたので、またレポートしたいと思います。 
どうぞ、お楽しみに♪
(文・写真 H岡)