今週の「らんまん」は、先週から4年後の明治4年が舞台。
(つまり、天狗様=ディーン龍馬様はもう見られないってことね……)
9歳になった万太郎、学問所へ行くの巻。今風(?)にいうと「学問所回」です!
勉強に目覚めた万太郎は、周囲に目もくれず自分の“好き”に向かって突っ走っていく……。いや〜、すでに語りたいことがいっぱいの朝ドラ見るるです!
ということで、今週も朝ドラ家の勝手気ままなおしゃべり=会議とともに、ドラマの振り返り、いってみましょ〜!
朝ドラ見る家会議
▼議題その1>> 万太郎があまりに自由すぎる件

さて、高知県の佐川にある、武家の子どもが集う学問所・名教館に通うことになった万太郎。町人の身分でありながら、名教館に通うことを許されたのは2人だけ?
そのうちのひとりに選ばれたのは、やっぱり、峰屋の力ってことなのかな。
タキおばあちゃんとしては、めっちゃ鼻が高いよね。万太郎、がんばるんだぞ!
な~んて保護者目線で見てたんですけど……なんていうか、万太郎! ちょっと自由すぎやしない!?
・良い着物で地面にゴロン→よじよじほふく前進で動いて植物観察
→その着物、誰が洗濯すると思ってるのよ〜! 洗濯機のない時代でしょ〜by母
・番頭の市蔵が大事にしている懐中時計を分解!
→今で言うと、スマートウォッチくらいの感覚かな。だったら許せんよ、そりゃあ by見る子姉さん
・おうちのお金で本を爆買い
→あれはどうも、ばあちゃんにねだったんだな by父
・当主としてお店の仕事を覚えなくちゃいけないのに、お絵描きしてサボる
→まあ、気持ちもわからないではない…… by見るる
などなど……。
おばあちゃんの気持ちになると……うわあ、胃が痛くなってきちゃう。
峰屋って、従業員もお客さんもいっぱいいる大きなお店。
そんな峰屋の当主がちゃんとしてなかったら、周囲に舐められたりひどいこと言われたりするのは目に見えてる。
そうならないよう、おばあちゃんが万太郎に厳しくするのは、深〜い愛情あってのことなのに……本人にその意思がないだけで、こうもすれ違うのね。
と思ってたら、案の定(?)、うちの見る子姉さん、ややキレ気味でした。
姉さん(見る子)「いやまったくだよ。天真らんまんって、言葉にすれば聞こえがいいけど、ちょっと万太郎、さすがにわがまますぎじゃない? やっぱりさあ、これ、お目付役の竹雄がかわいそう。けがまでさせておいて、ごめんの一言もなかったんじゃない?」
見るる「万太郎が武家の子に、稽古と称していじめられるところね。でもその状況で、武家に逆らうのが“面白かった”とか言える竹雄も、良い根性してるよね。不遇なだけじゃなくて、こういうちょっとした人間味が描かれてると、軽率に好きになっちゃうんだよな〜……」
姉さん「なに、軽率って(笑)」
今週の竹雄“第2形態”役を務めたのは、南出凌嘉くんという俳優さん。
ちょんまげのおかげでイケメンが際立ちまくってましたよね! ちょっとはにかむ感じの演技も、愛嬌あって良かった。
この子がいよいよ来週から志尊淳くんに!
今後、竹雄の深いところも描かれていくのかな? 楽しみ~。
そうそう、「良い根性してる」といえば綾ちゃんですよ。
万太郎が名教館に通わせてもらえてる一方、姉の綾ちゃんはおうちのことをしなくてはなりません。
しかし、植物一筋の万太郎と違って、彼女の関心は酒造りにあるんですよね。
幼い頃(先週)、入ってはいけない酒蔵に入ったことで、酒造に目覚めた綾ちゃん。
4年経った今でもその興味は薄れることがなく、ついに当主だけが受け継ぐ帳面を読みふけって、おばあちゃんに叱られます。
綾「掃除しようと思うたら桶の絵が見えたき。知りたかったがです。お米を蒸したとこからどうやって酒が出来るがか」
綾ちゃんのまっすぐな目……(ほろり)。
見るる「蔵に入ったとき『おなごは汚れちゅう!』なんて結構強めに怒られたのに、酒造に興味を持ってること自体はそんなに反省はしてなさそうだよね、この子」
姉さん「確かに。万太郎がずば抜けてるから影に隠れちゃってるけど、綾ちゃんもたいがい好きに一直線だよね」
見るる「おばあちゃんはおばあちゃんで、万太郎の才能も、綾ちゃんの酒造りへの興味も、両方否定したいわけじゃなさそうなところが良いよね。おばあちゃんも、峰屋の女当主としてやっていくのは簡単なことじゃなかったと思うし……」
竹雄、綾、タキおばあちゃん。
それぞれにままならないことは多くあれど、自由奔放すぎる(!)万太郎を中心として、案外絶妙なバランスで成り立っているのかもしれません。
そんな会話を姉妹でしていたら、父さんが口を挟んできました。
父「しかし、松坂慶子がこんなに良い女優になるなんてなあ」
見るる「なんで? 元から良い女優さんなんじゃないの?」
父「松坂慶子って、昔はもっとお色気路線?みたいな感じだったんだよ。演技派ってイメージもなかったし。昔からきれいな女優さんだったけどな。でも、こんな重鎮感のある演技を見ると、同世代としてしみじみするなあ……俺も年取るわけだ」
母「そりゃそうでしょ。いつまでもその路線でいけるわけないし、あなたは松坂慶子よりずっと年取って見えるわよ。見習ってちゃんと背筋伸ばしなさいな」
姉妹「……(こわ)」
▼議題その2>>理想の教育者、蘭光先生!

というか、今週マジで思ったんですけど、一時は「名教館には行かん!」とか言っていた万太郎を学問の道に思いっきりひきずり込んだ蘭光先生(演じるのは、ベテラン俳優・寺脇康文さん)、最高すぎませんか!? 。
調べてみると、名教館というのは、1772年に実際に創設され、多くの維新の志士や偉人を輩出した、実在する学校らしいんです。
そして蘭光先生のモデルは、その名も、伊藤蘭林! 天文学や書、武術など……いろんな分野に詳しくて、万太郎のモデルである牧野富太郎も、この「蘭林先生」のもとで勉強したんですって。
ただ勉強を教えるだけじゃなくて、勉強をしたら何ができるようになるか、何に繋がるのかを、蘭光先生は示してくれます。
植物について知りたいなら、本を読む必要がある。そのためには文字を知り、国学、漢学を学ぶ必要があるというロジック。
知識欲の刺激の仕方がうますぎるのよね……ただただ勉強しろーっ!って言うのの1000倍効果があるよ、これ。
蘭光先生「森羅万象には理由があるぞ」「者ども、好きに学びや〜!」
資料や書物を畳の上に放り投げて蘭光先生が言ったときの、子どもたちの生き生きした表情ったら、見ててすがすがしくなるくらいでした。
見るる「はぁ〜、わたしもこうやって育てもらいたかった! こういうふうに勉強させてくれる環境があれば、小学校のときのわたしの成績ももっと伸びてたと思うのにな」
母「そうねえ……」(←本当にそうかぁ?みたいな目)
見るる「そうだよ〜ちょっとは変わったかもしれないじゃん〜!」
母「それにしても(話題を変えた!)、名教館で万太郎が勉強してるのを見つめるタキさんが切ないわよね」
姉さん「そうだね。家のことは全然な万太郎が、学校では友達に勉強を教えてるんだもんね。急に『世界の人材になる』なんて言われて出てくる言葉が『そんな遠くへ…?』っていうのがまた……」
わかる〜。いつまでも手のかかる子どもだと思っていた万太郎の、これまで見えていなかった一面。
自分と同じようにずっと高知から離れずに峰屋で働くもんだと思っていた孫が、世界に羽ばたくかもしれないという可能性にはじめて思い至って動揺してるんですよね。ほんと、いいセリフ……。
母「あと思うんだけどね、やっぱり松坂慶子は顔が大きくていいわよね」
見るる「えっ、母さん何で急にディスるの……?(自分の顔が大きいから?という言葉は飲み込んでおく……)」
母「違う違う! 松坂慶子はずっと美人だけど、なんて言うかな、存在感があるっていうか……最近の女優さんって顔ちっちゃいでしょう。スタイルはいいかもしれないけど、この表情で語る感じと画面を圧迫するくらいのドーンッとした迫力は必要よねって意味」
ああ、なるほどね。たしかにそれはそうかも。というか、うちの両親、松坂慶子さん大好きだな?
あとあと、(私は松坂慶子より蘭光先生を語りたい!)仁淀川での課外授業も良かったですよね。
語られない3年間の間に万太郎といじめっ子(?)だった佑一郎くんが、いつの間にか互いを認め合って仲良くなっているのも嬉しかったし、蘭光先生の教えも冴え渡ってました。
蘭光先生「名教館を去っても学びは続くぞ。この先の世は、ますます身分らあのうなっていく。身分が消えた時、何が残ると思う?」
「己じゃ。自分が何者か、人はそれを探していく。学びはその助けになる」
かっっっっっっこいい……。
坂本龍馬が先週言ってたこととも重なりますよね。
誰に言われたことに従うのではなく、世の中に振り回されるのでもなく、自分が決めた道を進め、って。
名教館編、終わっちゃうの早すぎない!? もっと蘭光先生の名言聞きたかったよ〜〜……。
名教館がなくなってしまうことで蘭光先生は土佐を離れるらしいけど、いつか絶対、再登場希望です!!
▼議題その3>>わがまま? 身勝手? いやいや、万太郎「ギフテッド」説

それにしても、なんだか今週は見る子姉さんが万太郎に腹を立てていて、隣にいるこっちがハラハラするほどでした。
姉さん「万太郎、小学校中退したの!?(怒)」
母「なんかあれね、意識の高い幼稚園に通っていた子が、地元の小学校に入学して不登校になるみたいな話ね」←そうなのか?
姉さん「姉の綾ちゃんはずっと学校に通う選択肢すらもらえなかったのに、なんかズルくない? 竹雄だって、子どもなのに、結局、教育受けられてないんだよ。私も学校嫌いだから気持ちはわかるし、『出ていけ!』『はい!』のところは痛快だったけどさ……」
見る子姉さん、自分でレビューを書かなくなったからって、感想が過激じゃない?
姉さん「神木くんになってからもこの感じなのかな? また大阪から本買ってたし……なんか先が心配なんだけど」
父「あのさ、ちょっと思ったんだが、万太郎、ギフテッドなんじゃないか?」
突然、父さんが口を開きました。
ギフテッドって、見るる、知ってる! こないだYouTubeのおすすめにギフテッドの子どもに密着したドキュメンタリー動画が出てきたんだ。
先天的に幼い頃から特定の分野で高い能力を持っている人のことですよね。でもそれゆえ、周囲から誤解され、生きづらさを感じる場合もあるのだとか。
父さんに言われて、見る子姉さんも少しはっとした顔。
姉さん「確かに……語学の才能とか、植物に対する異常なほどの興味とか、言われてみるとそうかも」
父「ギフテッドの子どもは、ある分野で才能を示す一方で、同世代の集団になじめなかったり、こだわりが強すぎて周囲とコミュニケーションが取れなかったりするらしいぞ」
姉さん「なるほどね……。じゃあ、特に意識はしてなかっただろうけど、名教館は万太郎にとってはのびのび過ごせるいい環境だったんだ」
おお、めずらしく姉さんが納得している……。
でもそうですよね? 別に万太郎って甘やかされて育っているわけじゃないし、人の気持ちを理解しようとしてないわけでもない。ただ、本当に悪気なく好きなものしか目に入らなくなることがある、って感じ。
小学校の先生に英語で話しかけたのも、他の子どもたちを嫌な気持ちにさせないようにって気持ちからですよね(たぶん)。あと、先生なら英語も理解してくれるって思ったんだろうなあ。
理解できない人からすれば、単純にわがままで社会に適合できないヤツ!っていう風に思われちゃうかもだけど、あの激動の時代に蘭光先生の言う「金色の道」を歩いていくためには、万太郎くらいの一直線さが必要だったのかもしれないなって、思いました。
見るる「でも父さん、ギフテッドなんてよく知ってたね」
父「ああ。この前YouTubeのおすすめにあがってた、ギフテッド特集の動画を見たんだ」
もしかして……一緒の動画見た? さすが親子(笑)
▼次週、「ジョウロウホトトギス」
万太郎、ついに成長!
時代は進み、来週からは本役・神木隆之介くんの登場です。
体は成長したけど、中身は“あの”万太郎!って感じでしたよね。地べたに寝転ぶ癖も、本を読むのが好きなところも変わってなくて安心。
ちなみに、金曜日のラスト数秒を見た我が家の声はこちら!
姉さん「あ、竹雄がかっこよくなってる。竹雄〜!」
母「神木くん、けっこう走ってたわよね。体、丈夫になったのかしら。良かったじゃない」(←相変わらず保護者目線)
父「おばあちゃんは、まだ生きてるのかなー。そっちも気になる」(←どんだけ松坂慶子推し……)
ほんと、にぎやかです……。
でも、来週からどんな展開になっていくのか、確かに楽しみ!
万太郎が峰屋の仕事で東京に行き、後の人生の伴侶(!)となる寿恵子と出会ったりする話になるみたい。(え、展開早くない?)
それじゃ、今回はここまで。今週の会議、終了!
ではまた来週〜。
文責:朝ドラ見るる