NHKスペシャル「恐竜超世界2」
【前編】巨大恐竜の王国 ゴンドワナ大陸
 3/21(火・祝)総合 午後7:30~
【後編】恐竜絶滅の“新たなシナリオ”
 3/26(日)総合 午後9:00~


3月21日(火・祝)、26日(日)に放送のNHKスペシャル「恐竜超世界2」。2019年に放送された「恐竜超世界」の第2弾となる本作は、最新の研究で見えてきた”未知の恐竜世界”を最先端のVFX技術を駆使してリアルに描く。

恐竜大好き少女・ハルカが、不思議な恐竜世界を冒険するドラマ仕立ての内容になっている。前編では恐竜時代に南半球に存在したゴンドワナ大陸を舞台に、多種多様に進化を遂げる恐竜たちの命の営みを伝え、後編では隕石衝突が原因と言われてきた恐竜絶滅の“新たなシナリオ”に迫る。

3月13日、NHKスペシャル「恐竜超世界2」の完成試写会が国立科学博物館(東京・上野)で行われ、ハルカ役の稲垣来泉、ハルカの父・ヒロシ役の田中直樹(ココリコ)、ハルカの母・ユカリ役の優香が出席。番組の見どころや恐竜の魅力を語りました。


左から、田中直樹(ココリコ)、稲垣来泉、優香。

――今回のドラマに出演されていかがでしたか。
稲垣:ハルカは、自分の夢の続きを現実の世界に作るような女の子です。恐竜が大好きで、街中に出るとハルカだけ恐竜の世界が見えてしまうという。そういう彼女の想像の広げ方は、私と似ているなと思いました。撮影もすごく楽しかったです!

田中:恐竜が大好きなハルカは、みんなが心配になるくらい恐竜にのめり込んでいます。どうしても親は「ちょっとそれくらいにしておいたほうがいいんじゃない」とブレーキをかけてしまうと思うんですけど、ヒロシはブレーキをかけずに、娘の背中を押して好きなものにトライさせてあげます。とてもすてきな父親なので、こういう役が死ぬまで続けばいいなと思いながら演じさせていただきました(笑)。

優香:私が演じたユカリは、恐竜にのめり込むハルカを心配するお母さん。「このままで大丈夫かな」と娘を止めようとするんですけど、ハルカが妄想の世界と現実の世界でいろいろ悩みながら、お父さんと一緒に恐竜のことを学んでいく姿を見て、だんだんユカリも娘の気持ちを尊重していきます。

ハルカを演じた来泉ちゃんは、お母さんと本当に仲良しで、その姿を撮影現場で見てすごく癒やされました。ドラマの中で、来泉ちゃんや田中さんとすてきな家族になれてよかったです!


――完成した映像をご覧になっての感想を教えてください。
稲垣:恐竜はCGなので、実際の撮影では恐竜がいない状態で行われました。「ここにティラノサウルスがいて、そこにデイノケイルスがいるんだよ」と教えてもらいながらの撮影だったので、自分の目の前に恐竜がいることを想像しながらお芝居をしました。

完成した映像を見たら、私の想像を超える大迫力の恐竜が登場してびっくり! 恐竜のバトルシーンを映像で見たときは、体中から「うわー!」と感情があふれ出るくらい感動しました。恐竜だけではなくて、人間も命をつなげていくことの大切さを、このドラマを通して学ぶことができました。

田中:番組ではドラマパートだけではなく、恐竜のCGであったり、専門家のインタビューであったり、恐竜の最新情報が盛りだくさんの内容になっています。ですので、最先端の取材内容に合わせたドラマパートが見事にマッチしていて、見ごたえがありますね。

全長40m近くあるような恐竜と私たちが一緒の画面に映っている映像は、とても自然で、いい意味で“大迫力の違和感”が伝わってくるすばらしい番組だと思いました。

優香:私も本当に感動しました。“命のつながり”は人間の家族にもあって、恐竜にもあるということをすごく丁寧に教えてくれています。恐竜について知らないことが多かったんですけど、とてもわかりやすく説明してくれる内容なので、視聴者の方たちも学びながら楽しめる作品だと思います。完成した映像を私はスマホで見てしまったので(笑)、もっと大きなスクリーンで大迫力を体感したいです。

鬼のような角をもつカルノタウルス。


――みなさんのお気に入りの恐竜を教えてください。
稲垣:デイノケイルスが好きです。まつ毛があってかわいらしいですし、産んだ卵を自分で温めてふ化するのを待つという母性がステキだなと思いました。また、番組を通して、竜脚類の植物食恐竜にも驚きました。ティラノサウルスなどの肉食恐竜にも立ち向かって、しっぽを使って攻撃する姿もかっこいいなと思いました。

田中:プエルタサウルスの卵のメカニズムはとても興味深いです。殻の厚さが1cmくらいあるので、肉食恐竜は硬すぎて食べられない。逆に言えば、1cmもあると中にいる赤ちゃんが外に出てこられないのではと思うんですけど、地熱地帯の土の中に卵を産むことで、だんだん殻が溶けて、赤ちゃんがかえる頃には2mmくらいの厚さになる。生き物の子孫を残していくメカニズムが、卵にも反映されているのはすごいなと驚きましたね。

優香:私もプエルタサウルスです。あごを使って地面の熱を感じる姿に驚きました。あと、肉食恐竜のマイプが爪をトントンと鳴らして攻撃にいく姿がかっこよかったです。賢くて強いというのはとても魅力的ですね!

全長40mもあるプエルタサウルス。

 

巨大なツメが特徴のマイプ。


――番組は子どもたちも楽しめる内容になっていますが、注目ポイントを教えてください。
稲垣:子どもだと自分が興味を持っていることを隠そうとしてしまう一面があると思うんですけど、ハルカみたいに想像を膨らませて、世界の見方を広げようとすることはすごく大切だと思います。

あと、「恐竜は怖い」というイメージを持つ方も多いと思うんですけど、恐竜が生き抜くために進化を遂げるなど、私たち子どもにも生命の大切さをわかりやすく教えてくれる内容ですので、ぜひ見ていただきたいです。

田中:制作側も「子どもたちにたくさん見てもらいたい」という思いで作った番組と聞いています。どうやって恐竜たちが厳しい環境の中を生き抜いてきたのか、子どもたちや家族をどうやって守っているのか、生き物にとって最も大事で本質的な部分をわかりやすく描いています。

今は実物の恐竜を見ることができないので、空想の世界というか、どこか別次元の生き物と捉えている子どもたちも多いと思うんです。でも、自分たちからさかのぼると地球上に恐竜たちが生きていて、最先端のところに自分たち人間がいる――。生き物たちは全部つながっていて、その中に恐竜たちがいたことを考えながら見ると、この作品をより楽しめるのではないかと思います。

優香:何かにのめり込むって本当にすごいことだと思います。劇中の夫婦の会話の中で、ユカリは「ハルカが恐竜、恐竜ってなっちゃっている」と恐竜だけに夢中になっていることをなげくんですけど、ヒロシさんは横に手を広げながら「違うよ、恐竜だよ!」と視野を狭めるのではなく、広くなっていることを伝えるんです。

興味をたくさん持つと、いろいろな経験ができるし、ハルカみたいにたくさんの想像ができる。大人になると現実を知っているから、想像すること自体が難しくなってしまいますよね。ですけど、子どものすばらしいところは、1つの物事をいろいろな角度から見て、たくさんの想像と発見ができるところだと思います。子どもたちには可能性があるから、いっぱいのめり込んで、楽しいことをたくさん見つけてほしいなと思います!

ハルカたちと一緒に“未知の恐竜世界”の冒険を楽しもう!