物語もいよいよクライマックスに入る“朝ドラ”「舞いあがれ!」。舞(福原遥)と貴司(赤楚衛二)の間に新たな命が宿り、2人の今後が気になるところ。ヒロイン・舞を好演する福原遥に、貴司との関係とともにドラマへの思いを聞いた。


――物語もいよいよ終盤をむかえます。いまの思いをお聞かせください。

福原 さみしいですね。「あと一年できるぞ!」という思いもあるくらい(笑)、この 1年、舞と一緒にいろいろ学んで成長できたように思います。キャストやスタッフの皆さんにたくさん支えていただいて、とても充実した時間を過ごさせていただきました。本当に感謝しかありません。

――“朝ドラ”の現場を経験して、成長を感じることはありますか?

福原 これまでは、お芝居でうまくいかなかったとき、どうしようと悩んでしまうことが多かったのですが、“朝ドラ”はどんどん撮影が進むので、次に進んでいくしかありません。そのスピードにしっかり乗るための切り替え方を学びました。納得のいかない場面があっても、「次はこうしよう」と前向きに考えられるようになりましたね。もちろん、考える時間を取ることも大事ではありますが、その場で感じたことをそのままぶつける大切さも学んだ一年となりました。

また、舞が悲しい気持ちのときは、私も自然と涙が出てくるなど、長く演じているからこそ得られる感覚を抱いたときはすごくうれしかったですね。そして、キャストの皆さんにお芝居を通してすてきな景色を見せていただき、新たな発見もありました。なかでも、監督の田中さんと出会えたことは、いちばん大きいですね。本当にたくさんのことを教えていただきました。この朝ドラの経験を糧に、新たなお芝居に挑戦するのが楽しみです。

――互いに支え合う、舞ちゃんと貴司くんの関係性はすてきですね。

福原 舞と貴司、2人でのシーンはすごく安心感があります。同じ空気感が流れていて、ほっこりします。2人の関係性は小さいころから全然変わっていなくて、その関係が結婚しても変わらないって、すごくすてきですよね。

撮影していても、夫婦の空気感が本当に穏やか。実はおじいちゃんとおばあちゃんなのかな⁉︎と思うほど(笑)。2人の間には、優しい空気が流れているんです。舞と貴司くんにとって、この家庭が心のより所。きっと、素の自分でいられて、一番ホッとできる場所なんだと思います。だから、2人の心はつながっているという感覚でお芝居できています。

――「こんねくと」を起業するなど、舞はいろんな挑戦を続けていますね。

福原 「こんねくと」を起業したことは大きな決断で、私も正直びっくりしましたが、舞らしいなと思いました。「みんなで東大阪を盛り上げていきたい。その中で苦しんでいる人がいたら、その人のために何かしたい」という思いが、舞を動かしているんです。その思いの背景には、リーマンショック時、お父ちゃんとお母ちゃんの苦しい姿を見ていたこともあったと思います。小さいころと比べて、たくましく、かっこよく成長した舞の姿に、私もうれしくなりました。

そんな舞の挑戦をお母ちゃんは、常に優しく見守ってくれています。舞が起業を決めたときも、「あんたのこと、まだ人のいてへん道を切り開いていくタイプやないて思てた。そやけど、お母ちゃんが間違うてた。舞やったら、きっとやれる」と背中を押してくれました。お母ちゃんのたくましさ、かっこよさを感じたシーンで、私も将来こんなお母ちゃんになりたいと感じた、忘れられない場面です。

そのお母ちゃんを演じる永作博美さんにも、本当にたくさん支えていただきました。お芝居以外のことも相談させていただいたりと、お母さんのようにいつも接してくださったことがとてもうれしくて。本当にすてきな方です。

――そんな舞ちゃんが、お母さんになりますね!

福原 私は子どもの面倒を見るのが好きな方で、6歳離れた弟がいるのですが、よく抱っこしたり、オムツを替えたりしていました。今回、初めてお母さん役を演じられることができうれしいです!

自分が母になったら、「笑顔で優しく見守る、柔らかさがあるお母さん」でありたいという理想を持っていて。今回演じるうえでも、永作さん演じるお母ちゃんの雰囲気も参考にさせていただきながら、理想のお母さん像を目指して演じました。

子どもが生まれてからは、舞と貴司くんもより落ち着いた雰囲気になって、2人で子どもをいとおしく見つめるシーンでは、「本当にすてきな家族だな」と改めて実感しました。「舞いあがれ!」の放送もあと少しとなりますが、最後まで舞たちの物語をみていただけたらうれしいです!

福原遥(ふくはら・はるか)
1998年8月28日生まれ、埼玉県出身。NHK での主な出演作に、「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」、ドラマ「正直不動産」など。連続テレビ小説は今作が初出演。