どうも、朝ドラ見る子です。
更新が遅くってすみません! いよいよドラマも佳境で、言いたいこともいっぱい。
今回も、その中から、独断と偏見でピックアップしたシーンを振り返り♪
言いたいことを言っちゃうレビュー、始まるよ~!


亡くなった人が遺したもので、人は救われることも……

はい、急にシリアスモードです。
インサイダー取引疑惑で記者たちから追われ、雨の中、公園でぶっ倒れてしまった若手投資家の岩倉悠人こと、舞ちゃんのお兄ちゃん。

偶然通りかかった久留美ちゃんのお父さんがそれを発見してアパートに連れ帰ったので大事には至りませんでしたが、顔が少し腫れている気がするし、投資仲間に殴られたのか、酔っ払いに絡まれたのか……とにかく、いまだかつてなく荒んだ表情で。

仕事から帰ってきた久留美ちゃんがかいがいしく介抱してくれても、舞ちゃん、お母さんが親身になって話を聞こうとしても、心を開こうとしませんでした。が。

もう何もかもおしまいだ、と投げやりな態度をとるお兄ちゃんに、舞ちゃんはそっとあるものを差し出します。
それが、「歩みノート」。そう、今は亡きお父ちゃんが、日記のように日々の歩みを書きつづっていたノート。実はそこには、お父ちゃんが、お兄ちゃんこと悠人への思いもつづられていたのです。

リーマンショックを予測した気鋭の投資家として、雑誌にインタビューが掲載されていたこと、その活躍を喜んでいること。そして、
「悠人の夢が俺にはわかれへん。けど、いつかわかりたい」と。

お父ちゃん〜〜〜〜!! 泣いてまうやんか!
「そんなん一回も言ってくれへんかったやん」
「生きてる間に言うてくれればよかった」

さすがのクール悠人も仏壇の前、というかお父ちゃんの写真の前で涙。
その後、お兄ちゃんは、東京に帰ってなんもかんも話して、自分がおかした罪に向き合うことを決意。翌日からの、なんか、つきものが落ちたような表情が印象的でしたね。

で、見る子は思った。結局、お兄ちゃんを救ったのはお父ちゃんだなって。お父ちゃんが生前に書き残してた言葉なんだなって……。それを、今週はずっと、考えていたりしました。

ちょっと私の話をするけれども、あまり、物に関心がないのですわ、私。ミニマリストを気取るつもりはないのだけど、特に自分のものについては、たつ鳥あとを濁さずというか、手紙とか日記とか、あまり残さないタイプ(こうしてレビューは書き散らかすけど 笑)。

もちろん、お父ちゃんの場合、急に亡くなってしまったから、そういう意図で残していたわけじゃないんだろうけども。お父ちゃんが、これを書き残しておいてくれて、本当によかった、と思うわけです。

もちろん、お兄ちゃんには舞ちゃんもお母ちゃんもいるし、時間をかければ凍った心も氷解したかもしれない。でも、たぶん、お兄ちゃんが欲しかった言葉がそこにあったんだろうな、と、すごく思うのよね。
しかも、「わからないけどわかりたい」って。なんて最高で、なんて悲しくて、なんて温かい言葉なんだろうか。もう永遠に会うことができない相手からの、しかも過去からのメッセージに、お兄ちゃんは救われたんだよね。

そう思うとさ、なんでも、ポイポイ捨ててしまわないほうがいいのかなって……(遠い目)。結局、ただの部屋の片付けの話じゃないかって? そうともいうか(苦笑)。

私、朝ドラで亡くなった人が幽霊になって出てくる演出が、実はあまり好きじゃなくて。(朝ドラに限らないんだけど。)だって、あれって反則じゃん。だから、それっぽく仏壇が画面に出てくるとヒヤヒヤするんだけど、「舞いあがれ!」では、それをせずに、亡くなった人の存在を、しっかりと今生きている人たちに影響させていて、そこにね、静かに感動したのよ。

ともかく、お兄ちゃん、これで、やっと次のステージに進めるね。ちゃんと見ていてくれた人がいたことがわかって。そして、それを受け入れることができて。
本当によかった。千億の星なんかより、欲しかったのはお父ちゃんの言葉だったんだね。見る子が浅かったわ。(←先週の短歌を自分で回収しました)

さて、ここから切り替えますよ~!
そんなしみじみの中にも、気になるシーンがありました! ありましたよね?

そうですよ、お兄ちゃんと久留美ちゃんの……、なんか、これ、始まりそうじゃないですか!?(←すぐに出る悪い癖)
やさぐれていじけ気味のお兄ちゃんに、ビシッと物を言う久留美ちゃん。新鮮!

そうそう、失恋の傷には新しい恋が一番っていうしね。灯台もと暗しともいうしね。いいんじゃない!? 応援するわよ、私(←誰)。
そういえば、久留美ちゃん、お兄ちゃんのこと、「悠人さん」って呼んでいるのね。「舞ちゃんのお兄ちゃん」じゃなく。
ふ〜ん(ニヤニヤ)。早く、大阪へ帰っておいで、悠人さん♪


強靭なハートを持つ一太くんが、最強なんじゃないか説

今週のタイトルは、「告白」。
お兄ちゃんの「罪の告白」もそうだろうけど、やっぱりなんといっても、一太くんから、百花さんへの愛の「告白」も印象的でしたね〜!

一太くんは、舞ちゃんの五島での幼なじみ。子役と本役とのつながりの自然さに驚嘆がやまないほどのどハマり役で、いかにも、純朴な島の若者!という感じ。多くの若者が島の外に出ていく中、五島で生きていくことを決め、船大工の修行中です。

一方の百花ちゃんは、五島に若い人を呼ぼうというイベント「ヤング釣りフェフェスタ」に参加して、五島にほれ込み、自分が勤務する大阪のデパートで五島の物産展を企画しちゃうやり手(?)でありつつ、朗らかによく笑う、笑顔のすてきな女性です。
そんな百花ちゃんにぞっこんな一太くん。物産展の最終日、彼女に告白しようと決めたようで……。

「好きです。付き合ってください」
カフェノーサイドでの打ち上げ、宴もたけなわ、やや会場が落ち着いたタイミングで、唐突に、でもはっきりと言いましたよ! しかも、みんなの前で!

というか、自分の父親(鈴木浩介さん演じる、役所勤めで、めぐみさんの幼なじみでもある信吾さん)の前で! さらに、考えてみたら、上司(師匠?)の豪さん(哀川翔さん)もいる前で!

いや〜一太くん! なんなの、君のその強靭なハートは!? 純朴を通り越して、最強なのでは……と、田舎育ちでは負けない見る子もタジタジ。

でも、そのあとの百花ちゃんも負けてません。
「まだ一太さんのことよく知りません。もっと知りたいから、ゆっくりでもいいですか? 椿の木みたいに、気持ち、ゆっくり育てていってもいいですか?」
って! 名言、いただきました!

告白シーンの少し前、五島の産物である椿の木で作ったスプーンを見ながらしていた会話を踏襲した受け答え。絶妙すぎるんだぜ……。
いわく、椿の木は成長が遅くて、1年に1ミリしか育たないのだそう。だから、その木を使って作ったスプーンは、なんかホッとする存在感のあるものになっていると。ああ、なんていいカップルなんだ……!

なんて言ってたら、出ましたよ、空気を読まない(というか、恋愛シーンには絶対茶々を入れたいタイプ)の父が。

父「でも、1年に1ミリじゃあ、距離が縮まるまでに何年かかるやら(笑)。まあ、でも、こういうやつに限って、来年にはおめでた婚とかいうんだよな〜」
母「(冷たい目で)ほんとやめて、そういうこと言うの……」

↑ですよね〜! でも、ごめん、私もつい同じこと思っちゃった……親子だもんで(笑)。

ともかく、一太くんの告白は大成功。
さくらさんが、岩倉家で、「最終日には一太くんの告白もあるし、体力つけておかないと」と、朝ごはんをおかわりした甲斐がありましたね!(笑)
これから、五島と大阪の遠距離になるのかな? それとも移住するのかな? それも気になりつつ、応援したいと思います〜。


今週の朝ドラ見る家は、貴司くんの担当編集にイライラ! こんな人、本当にいるの!?

そう、今週、我が家で最も注目された人物は、何を隠そう、貴司くんのところにやってきた自称ファン1号の美人歌人……ではなく、あやしげな担当編集の彼でした!

いや、そりゃ、ファン1号もいろいろな意味で気になるんだけど、それ以上に、あいつの、謎主張に我が家は紛糾!
以前も触れましたが、脚本の桑原亮子さんは歌人でもいらっしゃるので、実は、当たらずとも遠からずの歌壇の実態なのか!?と、ざわざわ。

番組のタイトルクレジットによれば、彼の名は、「リュー北條」。いや、「リュー」って何やねん! そして、歌集用にまとめた貴司くんの作品をみて、「パンチがない。全体に甘すぎ」とか言っちゃって。

「絶望とか、社会への燃えたぎる怒りとか、そういうの書いてよ」
それに対して、貴司くんが「燃えたぎるような怒りはないです」と返すと、
「なくても書けばいいの、フィクションで。芸術は虚構だから。社会からドロップアウトした若者の心の叫び! みんなそういうの読みたいんだよ。昆布とか葉っぱとかいったん忘れて、自分の中の本当の気持ちに向き合ってみてよ」と。

え〜?
そりゃ、ファン1号じゃなくても、「それは違う!」と言いたくなる。
だいたい、「社会からドロップアウトした若者」って何やねん、その上から目線。失礼やな〜! だいたい、貴司くんの、孤独な人にそっと寄り添うような、小さなもの、日常のささやかなものに向ける優しいまなざしとか、そういう良さ、全然わかってないんじゃない!
これが担当編集だなんて、本当に大丈夫〜? 心配だ〜〜〜!

父「だめだ、こいつは。そもそも、ピンク色のズボンっていうのが信用ならん」
↑え、父ちゃん、そこ? それはさすがに偏見やで……。

母「(見る子を振り返って)ねえ、編集者って、みんなこんな感じなの?」
↑なんと。一応、それっぽい業界に身を置いている私にまでとばっちりが……。

私「え!? そんなことない……と、思うよ。まあ……赤いレザーパンツを履いている人なら会ったことあるけど……」
父「やっぱりか!」
↑いや、だから、それは偏見だって(苦笑)。編集者って、パンツの色で仕事してるんじゃないですから〜!

ただ、編集者が、作家にとってとても大事なポジションであることには変わりはないわけで。あくまで寄り添うのか、「もっとこうしろ!」とはっぱをかけるのか。

でも、それはあくまで「売れる」ことが目的だったりするから複雑なんだよね。職業ライターと作家の違いとでもいうのか。
人から頼まれて仕事として文章を書いているライターと、自分の表現したいことがあって作品を書いている作家とでは、本質的に目指すものが違うはず。
だから、私としては、リュー北條の言ってることは、果たしてどっちなんだろう?って、思っちゃう。

作家として彼の良さを伸ばすために言っているようには、今のところ見えないけど、もしかしたら、それで貴司くんが一皮むけて、さらに歌人として成長するきっかけにならないとも限らない。

貴司くんの心の中に、もしも、歌に出しきれていないものがあるなら、確かにそれはそれで読んでみたい気もするし……。考えすぎかな?
でも、短歌賞を受賞したのは、今の貴司くんの書いた短歌なわけだし、それを支持するファンとして、わざわざ店を訪れた人も少なくとも1人、いるわけだし。
うーん。どうする、貴司くん。

そんなこと(でもないが)より、やっぱり気になるのは、舞ちゃんと貴司くんですか!
ファン1号というライバル出現で、やーっと自分の思いに向き合うことになりそうですよね! どれだけやきもきさせるねん! そのあいまいな態度。そりゃ、貴司くんや久留美ちゃんじゃなくても、こちとら、ビミョーな表情になってまうわ。

最終的に、久留美ちゃんから、「貴司くんのこと好きなんやろ?」と詰め寄られて、舞ちゃん、ついに「もし告白してしもうたら、今の関係には戻られへんやんか」って……、これ、もう、好きなのを認めたも同然ですよね?

経験豊富な見る子としては(と、言ってみたい願望がある見る子としては)、その気持ちはわからないではないけど、いや、よーくわかるんですけど、そんな自分の気持ちに一度でも気づいてしまったら、ずっと、その状態を維持することなんて、もうできないと思うよ?
だって、そんなの、つらすぎるから。舞ちゃんにとっても、貴司くんにとっても。

いや、それでもまだ、2人だけのうちはいいんだけどね、ライバルが出現してしまって均衡が崩れかかってる今となっては、そうはいかないんじゃないかなあ……。
“思いを伝えない自由”が、“思いを告げられない不自由”になってしまう前に、手は打ったほうがほうがいいと思うよ、舞ちゃん。貴司くんもね……(しみじみ)。


そんなこんなで、第20週『伝えたい思い』。
ほら〜! 言わんこっちゃない、舞ちゃん、めちゃくちゃつらそうじゃないか!! 恋愛展開には期待してるけど、いざ始まると、けっこうつらいんだよなあぁぁぁ。
来週は、どっぷりそんな感じなのかな? と思いきや、新キャラも登場?
いや待て、貴司くんまで煩悶してない? え〜なに〜?
こっちの胸もはりさけそうな思いで、見る子、見守りたいと思います。
では、また来週!

朝ドラ見る子 (あさどら・みるこ)

“朝ドラ”を見るのが日課の覆面ライター。朝ドラを日々のスパイスとして、朝ドラをきっかけにいろいろなことを考えたり、人と話したりするのが好き。地方生まれ、東京暮らし、ときどき帰省。その影響で、最近は両親(60&70代のシニア夫婦)も朝ドラを見るのが習慣に。さらに、渋いおじさん好きの姉(朝ドラ見る姉)と若いイケメン好きの妹(朝ドラ見るる)も。家族ぐるみの(?)、自由気ままなレビューをお届けします♪