大河ドラマ「どうする家康」
第1回「桶狭間でどうする」(初回15分拡大)
1/8(日) 総合 午後8:00~9:00
BSプレミアム・BS4K 午後6:00~7:00
【作】古沢良太 【音楽】稲本響


来年1月8日(日)スタートの新・大河ドラマ「どうする家康」。徳川家康の生涯を、いま最も期待される脚本家のひとり・古沢良太が新たな視点で描く。

12月12日、第1回「桶狭間でどうする」の完成試写会がNHK放送センター(東京・渋谷)で行われ、主人公・徳川家康役の松本潤、家康の正室・瀬名役の有村架純、駿河国大名・今川義元役の野村萬斎が出席。ドラマの見どころや撮影のエピソードを語りました。


――第1回の完成映像をご覧になった感想は?

松本:第1回の映像がついに完成して、本日お披露目できたことがとてもうれしいですし、ホッとしております。僕自身も完成した作品を見て、ようやくここまで来たなという思いが強いです。それと、何よりタイトルバックに、自分の名前が載っていることがうれしかったですね。これはうちの両親は喜ぶだろうなと思いました。まだ、放送までに約1か月ありますので、これからたくさんの方に見ていただけるように宣伝も頑張っていきます。

有村:第1回を拝見させていただいて、音楽と壮大な映像に引き込まれて、とても大きな大きなドラマが始まるんだなという気持ちになりました。それぞれの登場人物の特徴も第1回から感じられる場面が多くて、ここから愛くるしいキャラクターたちがどんどん生まれていくんだなと実感しました。古沢さんの脚本により、見やすくて軽やかで、重厚感もある作品に仕上がっていると思います。たくさんの方に最後まで見届けていただけたらなと思います。

野村萬斎:「花の乱」以来29年ぶりの大河ドラマの出演となりました。古沢さんからオファーをいただきき、何といっても松本潤さんが主役ということで、はせ参じたつもりです。今回の家康はかっこいいし、おもしろいし、作品全体の疾走感をお楽しみいただけたらと思います。


――劇中の衣装がとてもすてきです。皆さんはどのような印象を持ちましたか?

松本:戦国時代が舞台とあって、着物にしても甲冑にしても、ふだん触れないものなので、着るだけで役に近づくことができますね。やはり、衣装というのは役を演じるうえですごく大事な要素の1つ。着ている自分を見るといろいろと想像することもできます。中でも、今川義元公からいただいた「きんそく」を着ると、背筋が伸びると言いますか、「これで生きるか死ぬかの戦いを今からするんだ」ということを毎回意識させられますね。そんな甲冑姿を自分で見ても「かっこいいなあ」と思ってしまうというか(笑)、着るたびに萬斎さんが演じる太守様(今川義元)を思い出しています。

有村:今回のお着物は1つ1つ手染めをしていただいているので、替えがないんです。ですので、どの衣装も衣装部さんのこだわりがたくさんつまっています。瀬名のお着物の色もこだわってくださっていて、オレンジというか、ピンクというか、絶妙な色味になっています。ほかの皆さんの衣装を見ても、とても軽やかな色味が多いなという印象ですね。

野村萬斎:義元が金の甲冑を家康におくったということですが、まさしく敵に狙われやすくさせたことにもなりますが……。ある意味、義元があえて試練を与えているのかなとも思います。義元の衣装に関してはいろいろな解釈があるようで、貴族化したパターンもあったと思いますが、今回は文武両道だったという近年の研究成果を盛り込んでいます。戦の場では、けがれのない白を着て、ふだんは禅の影響を受けて紺色の着物を着ているという設定になっています。


――第1回の冒頭、とても若い家康と瀬名の仲むつまじいシーンが印象的でした。実際に演じてみていかがでしたか。

松本:このときの家康の年齢は、数えで13歳か14歳だと思うんですけど、なかなか今はその年齢の役を演じてほしいとも言われないので、楽しんで演じさせていただきました。何より、2人の出会いのシーンだったので、初々しさと言いますか、世界観に助けられながら、リアルに楽しんでかくれんぼをするということを心がけました。有村さんとの撮影自体も最初のころで、瀬名の明るさと有村さんの持っている空気感にとても助けられましたね。

有村:私も純粋にかくれんぼを楽しもうと思って演じていました。大の大人が「ワーキャー」と言いながら森の中を駆け回って、無邪気さを取り戻すような楽しい撮影でしたね。

野村萬斎:義元からすれば、そんな2人を見ているとお父さんになった気分でしたね(笑)。2人ともかわいらしくて。実年齢との差はありますけど、ちゃんと家康と瀬名の世界観ができあがっていて、すばらしいなと思いました。


――第1回の中で、いちばん印象に残っているシーンはどこでしょう?

有村:家康と瀬名のシーンで言いますと、第1回では出会ってから、その後もトントントンと描かれてはいくんですけど、時間経過が気にならないくらい、2人の関係性の深さみたいなものが描かれていたと思います。この2人の笑顔が、今後どう響いていくのかということと同時に、切なさなどの感情を引き出してくれるものになったらいいなと思います。

野村萬斎:僕は戦場でしかお目にかかれなかった、三河家臣団のシーンが印象的でした。松重豊さん演じる石川数正がご飯を食べるだけのシーンもすばらしかったです。数正が「行け!」と皆に声をかける場面も迫力があって非常によかったなと思いましたね。

松本:全部印象的ですね。やっぱり、徳川家康という人物を中心に物語が始まっていくのが第1回なので。その中で、家康にとって義元公は偉大な存在だったと思います。幼少期から含めて、松平元康から徳川家康になってからも、義元公から教わったこと、学んだことはずっと残り続けていきます。覇道の信長と王道の義元公の考え方をミックスしていくという選択が、今後の家康に出てくると思うので、その象徴となるシーンが第1回にはたくさん出てきます。

初々しい瀬名との関係が今後どういうふうに進んでいくのか、三河家臣団の面々がこれからどのようにステップアップしていくのか。そして、武田信玄、織田信長をはじめ、それぞれの登場人物がこれからどう動いていくのかを描いているのが第1回です。ぜひ多くの方にご覧いただきたいと思います。