2023年度後期の連続テレビ小説「ブギウギ」のヒロイン・花田鈴子役を演じるのは、趣里さん! 2471人が参加したオーディションから選ばれた。

ヒロイン・鈴子のモデルは、戦後の大スター・笠置シヅ子さん。「東京ブギウギ」や「買物ブギー」など数々の名曲とともに、日本の朝にあふれる笑顔を届ける。

【役柄:花田鈴子(はなだ・すずこ)】
1914(大正3)年生まれ。大阪の銭湯の看板娘で、おしゃべりで歌って踊ることが大好き。母親譲りのおせっかいで世話好きな性格だが、人助けが裏目にでることも…。憧れの歌劇団に入団した後は、努力を重ね、歌と踊りと愛嬌を武器に大スターへの階段を駆け上がっていく。


趣里さん メッセージ

——ヒロインに選ばれたお気持ち

まさか自分がこんな日を迎えられるとは…。驚きと喜びの思いと共に、身の引き締まる気持ちでいます。私は、エンターテインメントの持つ力に何度も救われてきました。そして、たくさんの方を笑顔に、前向きな気持ちにしてくれる“朝ドラ”に強い憧れを持っておりました。今回、オーディションの上限年齢がちょうど私の年齢までだったので、最後のチャンスだと思って、挑戦させていただきました。これからしっかり稽古を重ねて、これまでのすべてをかけて作品と向き合って、見てくださる方々が“ブギウギ”してもらえるように全身全霊で頑張っていきます。

——ヒロインをどのように演じたいか

モデルとなる笠置シヅ子さんは、ステージでものすごいエネルギーを私たちに届けてくれました。ただその笑顔の裏には、いろいろな困難を乗り越えていらっしゃった。そのふり幅もしっかり表現していけたら。そしてスタッフの皆さんが本当に温かいので、皆さんと一緒に頑張っていけたらと思います。

——これまでの“朝ドラ”オーディション経験は?

“朝ドラ”のオーディションはこれまで3回ほど受けましたが、今回初めてカメラテストまで進みました。ただ自分でもびっくりするくらい、手が震えるくらい緊張してしまって。でもスタッフの皆さんが、丁寧にお芝居を見てくださり、歌の審査でも盛り上げてくださりました。それで緊張がほぐれるかと思いきや、緊張しっぱなしという、すごい体験をしました(笑)。

——好きな関西ことばは?

「なんでやねん」ですね(笑)。あとオーディションで行ったノリ突っ込みも楽しくて。私は「怖い」「暗い」といったイメージを持たれがちなのですが、どちらかというと明るい方なので、ノリ突っ込みも楽しくやっていけると思います。

——笠置シヅ子さんの印象は?

映像資料で笠置さんのステージを拝見しましたが、戦後の日本を明るくしてくれた彼女のエネルギーは、今の時代にも必要なものだと感じます。ちょっと気持ちがあがらない時期に笠置さんの映像を見たのですが、前向きでポジティブなエネルギーをいただきました。「全身全霊で生きる喜び」のようなものを感じられて。自分もこんなことではへこたれてはいけないという気持ちになりましたね。

これまでいろいろな役を演じてきましたが、自分はまだまだだと思っています。ただ、作品をいいものにしたい、皆さんに楽しんでもらいたいという思いは常に持っています。自分が経験していない年齢を演じることは未知ですが、笠置さんの人生に寄り添って、共演者の皆さんと年齢を重ねていく感覚で、真摯に演じたいと思います。


◆ 作・足立紳さんのことば

趣里さんの、猫の目のようにクルクルと変わる豊かな表情と、ちょっとハスキーな声は、我々スタッフたちが考えているヒロインのイメージにぴったりです。スタッフたちはみんな今、「趣里さんにあんなこと言わせてみたい!」「こんな動きをしてもらったら……!」と想像してはニタニタと笑顔を浮かべワクワクズキズキしています。そしてきっと、その想像の上をいくヒロイン像を視聴者の方には見て頂けると思います。どうぞお楽しみに!


◆ヒロイン発表にあたって 制作統括 福岡利武

オーディションでの趣里さんのお芝居と歌、そして佇まいがとてもステキでした。にじみ出るなんとも言葉ではうまく表現できない個性と魅力、芯の強さ、そして愛嬌たっぷりの笑顔が印象的でした。趣里さんがすっと心に入ってきました。すばらしいヒロインを迎えて、みなさまにおもしろいドラマをお届けできるように、スタッフ一同、まい進してまいります!


【物語】
大正の終わりごろ、大阪の下町の小さな銭湯の看板娘・花田鈴子は、歌って踊るのが大好きな天真爛漫な女の子です。やがて、小学校を卒業した鈴子は「歌と踊りでみんなを笑顔にしたい」と思うようになり、道頓堀に新しくできた歌劇団に入ります。必死に稽古にはげんだ鈴子は、メキメキと成長、抜群の歌唱力で頭角を現していきます。

昭和13年、鈴子は上京します。そこで、ある人気作曲家と出会い、大きく運命が変わります。鈴子は、作曲家の指導を受け、“スウィングの女王”と呼ばれ人気ものになっていきます。

しかし、戦争が始まると、鈴子が置かれた状況は一変します。鈴子の歌っていた歌は「敵性音楽」となり、鈴子は歌や踊りが厳しく制限されてしまいます。さらに、鈴子の弟は出征。また、ちょうどその頃、鈴子の母も病気で亡くなってしまいます。

不幸が重なり悩んでいた鈴子は、ある青年と恋に落ち、結婚を誓いあいます。しかし、青年の家族は大反対、結婚はなかなか実現しません。やがて戦争が終わり、鈴子は青年の子を身ごもります。ところが、青年は病にかかってしまいます。会えない日々が続き、そして、臨月の鈴子のもとに届いたのは青年の訃報でした。死に目に会えず、結婚もできないままの別れ。数日後、鈴子はひとりで娘を出産しました。

鈴子は、ひとりで娘を育てながら舞台で歌います。そんな中、生まれたのが「東京ブギウギ」です。明るく、飾らず、全身で歌う、鈴子の真骨頂。戦後の傷ついた日本に、その歌声が響き渡ります。鈴子の歌声に合わせて、笑顔で歌い踊る人たちが日本中にあふれていきました。鈴子は“ブギの女王”と呼ばれるようになり、大スター歌手への階段を一気に駆け上がっていきます——。

2023年度後期 連続テレビ小説「ブギウギ」
【放送予定】 2023年秋
【制作スケジュール】 2023年春頃クランクイン予定