夜ドラ「つまらない住宅地のすべての家」
毎週月~木曜 総合 午後10:45~11:00
番組HP:https://www.nhk.jp/p/ts/ZN7Q737JMX/

芥川賞作家・津村記久子の話題作をドラマ化! 夜ドラ「つまらない住宅地のすべての家」は、「刑務所を脱走した女が住宅地に向かっている」というニュースが、ありきたりな住宅地の日常を変えていく、ホーム・サスペンス・ドラマ。主人公の丸川明を演じる井ノ原さんに、役への思いや今後の見どころをお聞きしました。

明を演じるうえで意識していることは?

原作はページをめくる手が止まらないくらい、本当に面白かったです! とにかく自分のことばっかり考えている人たちが集まっているんですよ(笑)。僕が演じる丸川明が、「逃亡犯が街にやってくる可能性があるから、皆で見張りをしよう!」と提案するのも、正義感ではなく、現実逃避したいという思いから。奥さんに出ていかれ、息子ともあまり折り合いがつかない現実から逃げようと、明は周囲を巻き込みながら自治会長の仕事にまい進します。実際にこんな人がいたら、本当に迷惑ですよね(笑)。

そんな明を演じるうえで意識していることは、“やりすぎない”こと。明の言動をコメディーにして、笑いを取りにいかないようにしています。明という役柄は、ドまじめにちょっとズレたことをやるからこそ、面白いんです。スタッフさんも「ちょっとやりすぎかもしれません」と言ってくれるので、助かっていますね。素直で馬鹿正直な、明のチャーミングな部分をうまく表現できたらと思っています。

今後、明の成長が少しずつ見えてくるようになります。現実を受け入れようという姿勢が、徐々に出てくるんです。最初のころの明だったら、絶対こんなこと言わないようなセリフも後半増えてきて。それはやっぱり、ご近所さんとの交流によって成長しているんだと思いますね。


注目人物は…やっぱり大柳さん!?

視聴者の方も、気になる登場人物がでてきたころでは? ドラマでは、家族同士の接点ができ始めたり、一堂に会する場面が出てきたり、なんか楽しい雰囲気が生まれていますよね! ちょっとした「アベンジャーズ」のような感じといいますか(笑)。

ドラマの中では、居酒屋のシーンが大好きなんです。皆と本音を言い合うことで仲良くなるのが、なんだか楽しくて。シラフだけど、ベロベロに酔っているように演じるのも面白かった。だから全部撮り終わったときは、ちょっぴり寂しかったですね。

よく、尾美としのりさんと話すのは、「逃亡犯が捕まった後は、みんなどうなるんだろう」ということ。逃亡犯の出現により一致団結した住宅街ですが、その後は…? ドラマでは、原作とは違う描き方をしている部分もあるので、今後どんな展開が待ち受けるのか、ぜひお楽しみに。

今後の注目人物ですか…、それは大柳さん(稲葉友)ですね。やや陰があって、よからぬことを考えている人物ですが、みんなとの交流を経て変化していく部分は、正直グッときます。ぜひ、見ていただきたいですね。あと、個人的にツボなのが、「大柳さん」って話しかけるのが楽しくなって、みんなで名前を呼ぶシーン(笑)。サスペンスだけど、ユーモラスな場面もたくさんあって、演じていてとても楽しいです。


住民のことが愛おしくなるドラマ!?

近所付き合いがテーマの今作に出演して改めて感じたことは、人と人のコミュニケーションの大切さ。私は「出没!アド街ック天国」(テレビ東京系)で司会をさせていただいていますが、すてきな街には、しっかりとしたコミュニティーがあることをよく感じます。人と人が交流することで、街も進化していくんですよね。自分が住んでいる街を誇りに思えることは、すばらしいと思います。

“朝ドラ”同様、“夜ドラ”も1日15分。ギュッと凝縮した物語を集中して見ることができるドラマ枠です。夜のひとときに、住宅街で起こるさまざまな出来事をのぞき見るような感じで楽しんでいただければ。きっと、住民のことを愛おしく感じると思います。ぜひ、最後まで明たちの行く末を見守っていてだけたらうれしいです。

[スペシャルクエスチョン]
明はマイルールをよく作りますが、井ノ原さんはマイルールを作る方ですか?

自分でルールはあまりつくらないですね。つくっても、けっこうすぐに破っちゃいます。「今日はこれをやる」って決めていても、楽しそうな出来事があったら、そっちに行ったりして……。だから、明にはもっとルールを破ってほしいなって思います(笑)。