みなさん、今年の4月1日に、子どもの権利を守るための基本理念を定めた「こども基本法」が施行されたのをご存じでしょうか? 実はわたし自身「こども基本法って何?」というテーマで繰り広げられた、5月の「みんなの子育て☆深夜便」を聞いて初めて知りました。まったく前情報がなかったのですが、聞けば聞くほどにすばらしい法律でうれしい悲鳴! あまりに感激して、聞き終えてすぐにかぞくや友人たちにも情報をシェアしたほどです。
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さて、まずは「こども基本法」とは。ゲスト出演されていた国際子ども権利センター代表理事の甲斐田万智子さんからもさまざまな視点で説明がありましたが、これは、子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められた 「子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)」 に基づく法律なのだそうです。その条約の中で大事にされているのがこちらの4つの柱です。
・生命、生存および発達に対する権利(命を守られ成長できること)
・子どもの最善の利益(子どもにとって最もよいこと)
・子どもの意見の尊重(意見を表明し参加できること)
・差別の禁止(差別のないこと)
(ぜひ、詳しくはこども家庭庁のこちらのページをご参照ください)
わたしは、子どもを一人の人間として信頼して、大人が子どもの声をきちんと聞き、対等に接することを保障する法律なのだと理解しました。つまり日常に落とし込むと、、、ゲスト出演されていた、写真家の加瀬健太郎さんから分かりやすい質問がありました。
「たとえば、観たいテレビが大人と子どもとで違ってよくチャンネル争いになるんですけど、どうしたらいいでしょうか」
それに対して「大人が一方的に決めるのではなく、どうするのかを子どもたちと話し合って、おたがいに観る時間を作るのがいいのでは」これが甲斐田さんのお答えでした。なるほどー! そう思うと、日々なにげない場面で、無意識に大人都合で決めてしまっていることって多々あるのかもしれないなぁとヒヤリ…。「こども基本法」の理念を心に留めることで、今までとは違った視点でわが子と向き合えそうです。
一方で、わたし自身は最近の一番の関心ごとである「校則」と紐づけて話を聞いていました。上ふたりは世田谷区で唯一校則のない公立中学校に通っているのですが、4月から長女は都立高校へ進学。今まで「校則」と無縁に過ごしていたこともあって、一般的なルールというものを目の当たりにして、親子で衝撃を受け続けているからです。
先日こんなことがありました。高校で、生徒が眉毛を描いていて指導があったと。「ま、眉毛??」と二度見ならず二度聞きしました。指定された制服以外の着用は認めず、髪染め、メイク不可。だから、眉毛を描くことは“メイク”と見なされたのだと思います。でもそれって、、、、「髪染めは、白髪が目立つなどの理由がある場合は認めます」と保護者会で説明を受けたのですが、だとしたら、今回のケースもそういった生徒のコンプレックスに該当しないのでしょうか? そして、こんな時こそわたしたち大人が一番大切にしなければいけないのは、子どもの声を聞くこと。決して「校則だから守るのが当たり前」と、頭ごなしに指導することではないと思います。
そもそも、校則だって子どもたちが決めたらいい。よく見かける、公園の禁止看板だってそう。大人都合の勝手な意見だけで、子どもたちの自由がどんどん奪われている気がしてなりません。
そんな中、「こども基本法」が施行されたことは希望だと思います。まず、多くの子どもたちにこの法律の存在を知ってほしい。「子どものことは、子どもなしで決めない」番組の締めくくりに甲斐田さんがおっしゃっていた通り、自分たちの暮らしは自分たちで生み出せるのだと、子どもたちに実感してもらえる社会に変えていきたいです。
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モデル・1978年静岡県浜松市生まれ。2男2女のママ(15歳、13歳、10歳、5歳)。モデルとして雑誌、webやCMなどに出演。夫婦で手がけるフードユニットkatarite(語り手)や、子育てにまつわるコラム執筆など多方面で活動中。2022年よりNPO法人neomuraの広報にも携わる。